精神保健福祉関連の行政機関
精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に規定されています。
設置義務
都道府県、政令指定都市に設置義務があります。
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身体障害者更生相談所と知的障害者更生相談所は政令指定都市に設置義務はないけど、精神保健福祉センターは政令指定都市に設置義務があるよ。
業務
2 技術指導及び技術援助
3 人材育成
4 普及啓発
5 調査研究
6 精神保健福祉相談
7 組織育成
8 精神医療審査会の審査に関する事務
9 自立支援医療(精神通院医療)及び精神障害者保健福祉手帳の判定
機関 | 根拠法 | 都道府県 | 指定都市 | 中核市 | 市 | 町村 | 特別区 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
精神保健福祉センター | 精神保健福祉法6条 | ○ | ○ | ||||
精神医療審査会 | 精神保健福祉法12条 | ○ | ○ | ||||
精神科病院 | 精神保健福祉法19条 | ○ |
〇:設置義務
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精神保健福祉センターといえば、精神保健福祉手帳の判定をやっているところというのは知ってるよね。それ以外には精神医療審査会の事務も担っているということも覚えておいてね。
保健所
保健所は地域保健法に規定された地域保健対策の広域的・専門的・技術的推進のための拠点です。
1965年の精神衛生法改正によって、地域における精神衛生行政の第一線と位置づけられました。
設置義務
保健所は、都道府県、政令指定都市、中核市、その他政令で定める市、または特別区が設置することになっています。
業務
2 相談支援
3 地域生活支援
4 人材育成
5 精神保健福祉に関する普及啓発
6 当事者団体等の育成・支援
7 入院等関係
8 企画立案及び調整
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当事者団体等の育成・支援は、自助グループの組織育成や活動支援も含まれるよ。
保健センター
保健センターは保健所と同じく地域保健法に規定される公的機関です。保健所よりも、より地域住民に
とって身近な保険サービスを提供します。設置は市町村の任意となっています。
その他の福祉関係機関は以下の記事で。

保健師
保健師になるには?
保健師は、保健師助産師看護師法に基づく国家資格です。保健師になるには保健師国家試験と看護師国家試験の両方に合格しなければなりません。
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保健師さんは看護師の資格も持ってるんだねー!
保健師の配置は?
保健所や保健センターなどの公的機関に配置されているイメージですが、配置義務はありません。
しかし児童相談所には保健師(及び医師)の配置が義務づけられています。
民間企業などに努める産業保健師という形もあります。労働者数50人以上の事業所では産業医の配置が義務ですが、産業保健師の配置は義務ではありません。
保健師の仕事は?
健康相談や保健指導、健康診断や予防接種の実施などがあります。
過去問
第23回 問題19
次のうち、「精神保健福祉法」に規定されている精神保健福祉センターの業務として、正しいものを1つ選びなさい。
1 精神保健指定医の指定
2 精神保健審判員の任命
3 精神科病院入院患者の退院請求の審査
4 精神医療審査会の事務
5 自立支援医療(精神通院医療)の申請受付
(注) 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
1 精神保健指定医の指定
間違いです。これは厚生労働大臣の役割です。
2 精神保健審判員の任命
間違いです。精神保健審判員は裁判所が事件ごとに任命を行います。
3 精神科病院入院患者の退院請求の審査
間違いです。これは精神医療審査会の業務です。
4 精神医療審査会の事務
これが正解です。
5 自立支援医療(精神通院医療)の申請受付
間違いです。これは市町村の業務です。精神通院医療の支給決定は都道府県ですが窓口は市町村です。
第18回 問題77
次のうち、精神保健福祉センターの業務として、正しいものを1つ選びなさい。
1 特定相談支援事業者の指定
2 医療保護入院に関する入院届の受理
3 自立支援医療の申請窓口
4 措置入院者及び医療保護入院者の定期病状報告の審査
5 精神障害者保健福祉手帳の申請に対する判定
1 特定相談支援事業者の指定
間違いです。これは市町村の業務です。
2 医療保護入院に関する入院届の受理
間違いです。保健所長が受理して都道府県知事に届け出ます。
3 自立支援医療の申請窓口
間違いです。これは市町村の業務です。
4 措置入院者及び医療保護入院者の定期病状報告の審査
間違いです。これは精神医療審査会の業務です。
5 精神障害者保健福祉手帳の申請に対する判定
これが正解です。
第26回 問題20
- P県に採用されたF精神保健福祉士は、児童・思春期の精神保健相談、各種依存症に関する相談や支援、市町村の障害者保健福祉施策に対する技術的援助、精神障害者保健福祉手帳の申請に対する判定業務等を行う機関に配属された。
次のうち、F精神保健福祉士が配属された機関として、正しいものを1つ選びなさい。
1 児童相談所
2 障害者更生相談所
3 精神保健福祉センター
4 保健所
5 県立精神科病院
選択肢3が正解です。
第21回 問題20
次のうち、精神障害者保健福祉手帳の申請に対する判定業務を行う機関として、正しいものを 1 つ選びなさい。
1 保健所
2 都道府県社会福祉協議会
3 市町村保健センター
4 地方厚生(支)局
5 精神保健福祉センター
選択肢5が正解です。
第23回 問題65
次のうち、保健所の精神保健福祉業務として、正しいものを 1 つ選びなさい。
1 精神障害者保健福祉手帳の交付決定
2 日常生活自立支援事業の事務
3 医療保護入院者の入院届の受理
4 障害支援区分の認定調査の実施
5 地方精神保健福祉審議会の設置
1 精神障害者保健福祉手帳の交付決定
間違いです。これは都道府県知事の業務です。
2 日常生活自立支援事業の事務
間違いです。これは都道府県社会福祉協議会の業務です。
3 医療保護入院者の入院届の受理
これが正解です。
4 障害支援区分の認定調査の実施
間違いです。これは市町村の業務です。
5 地方精神保健福祉審議会の設置
間違いです。これは都道府県の業務です。
精神保健福祉法第九条「精神保健及び精神障害者の福祉に関する事項を調査審議させるため、都道府県は、条例で、精神保健福祉に関する審議会その他の合議制の機関(以下「地方精神保健福祉審議会」という。)を置くことができる。」
第19回 問題77
次のうち、保健所の精神保健福祉業務として、正しいものを1つ選びなさい。
1 精神障害者のサービス等利用計画の作成
2 精神障害者に対する訪問指導
3 精神障害者に対する職場適応訓練
4 精神障害者に対する日常生活自立支援事業
5 精神障害者の障害支援区分の認定
1 精神障害者のサービス等利用計画の作成
間違いです。これは特定相談支援事業者の業務です。
2 精神障害者に対する訪問指導
これが正解です。
3 精神障害者に対する職場適応訓練
間違いです。精神障害者に対する職場適応訓練はハローワークが窓口となり、事業主や就労支援機関が関わります。
4 精神障害者に対する日常生活自立支援事業
間違いです。これは都道府県社会福祉協議会の業務です。
5 精神障害者の障害支援区分の認定
間違いです。これは市町村の業務です。
第17回 問題66
次のうち、都道府県が設置する保健所の精神保健福祉業務として、正しいものを1つ選びなさい。
1 精神障害者保健福祉手帳の申請受理
2 自助グループの組織育成、活動支援
3 精神医療審査会の審査に関する事務
4 診療報酬上の精神科デイ・ケアの実施
5 日常生活自立支援事業の実施
1 精神障害者保健福祉手帳の申請受理
間違いです。精神保健福祉手帳の申請は、市町村が受理して都道府県知事が交付します。
2 自助グループの組織育成、活動支援
これが正解です。
3 精神医療審査会の審査に関する事務
間違いです。これは精神保健福祉センターの業務です。
4 診療報酬上の精神科デイ・ケアの実施
間違いです。これは医療機関が行います。
5 日常生活自立支援事業の実施
間違いです。これは都道府県社会福祉協議会の業務です。
第25回 問題77
次のうち、保健所における精神保健福祉業務として、正しいものを1つ選びなさい。
1 定期病状報告の受理
2 精神医療審査会の事務
3 退院支援委員会の主催
4 自立支援医療(精神通院医療)の支給認定
5 障害年金の申請受理
1 定期病状報告の受理
これが正解です。措置入院では都道府県知事に対して定期病状報告が義務づけられています。
2 精神医療審査会の事務
これは、精神保健福祉センターの業務です。
3 退院支援委員会の主催
退院支援委員会は退院後生活環境相談員が主催します。
4 自立支援医療(精神通院医療)の支給認定
自立支援医療(精神通院医療)の支給認定は、都道府県、指定都市が行います。
5 障害年金の申請受理
障害年金の申請受理は、障害基礎年金では市町村役場の窓口、障害厚生年金では年金事務所や年金相談センターになります。
第27回 問題18
保健師に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 児童相談所には、保健師の配置が必須である。
2 保健所の所長は、保健師でなければならない。
3 保健師の資格は、地域保健法で定められている。
4 労働者数50人以上の事業場では、保健師を選任しなければならない。
5 看護師国家試験に合格しなくても、保健師になることができる。
1 児童相談所には、保健師の配置が必須である。
正しいです。児童相談所には医師及び保健師の配置が義務づけられています。
2 保健所の所長は、保健師でなければならない。
誤りです。保健所の所長は原則として医師でなければなりません。
3 保健師の資格は、地域保健法で定められている。
誤りです。保健師の資格は、保健師助産師看護師法で定められています。
4 労働者数50人以上の事業場では、保健師を選任しなければならない。
誤りです。労働者数50人以上の事業所で配置が義務づけられているのは産業医です。産業保健師に配置義務はありません。
5 看護師国家試験に合格しなくても、保健師になることができる。
誤りです。保健師になるには保健師国家試験と看護師国家試験の両方に合格する必要があります。
第24回 問題77
- 行政機関における精神保健福祉業務に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 保健所は、成年後見制度利用支援事業の利用申請の窓口業務を担う。
2 保健所は、救護施設への入所措置に関する業務を担う。
3 保健所は、市町村が実施する精神障害者に対する施策の技術的な支援を行う。
4 精神保健福祉センターは、地域活動支援センター機能強化事業を実施する。
5 精神保健福祉センターは、精神障害者保健福祉手帳の申請の受理を行う。
1 保健所は、成年後見制度利用支援事業の利用申請の窓口業務を担う。
誤りです。成年後見制度利用支援事業は障害者総合支援法の市町村地域生活支援事業で、申請窓口は市町村です。
2 保健所は、救護施設への入所措置に関する業務を担う。
誤りです。救護施設は生活保護法で規定される施設で、福祉事務所からの措置委託で入所を受け入れます。
3 保健所は、市町村が実施する精神障害者に対する施策の技術的な支援を行う。
正しいです。
4 精神保健福祉センターは、地域活動支援センター機能強化事業を実施する。
誤りです。地域活動支援センターは障害者総合支援法の市町村地域生活支援事業で、精神保健福祉センターが実施するものではありません。
5 精神保健福祉センターは、精神障害者保健福祉手帳の申請の受理を行う。
誤りです。精神障害者保健福祉手帳の申請窓口は市町村で、精神保健福祉センターでは手帳の交付の可否や等級の判定を行います。
次の記事
次は、精神障害者保健福祉手帳について。
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