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【多職種連携】チームアプローチ3つのモデル

チームアプローチ専門職&専門機関
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チームアプローチには3つのモデルがあります。

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チームアプローチ3モデル

マルチディシプリナリ・モデル(権威モデル)

チームメンバーである各専門職種がそれぞれの専門分野における目標設定し、各アセスメントやケアを行うアプローチで、精神科領域では救急・急性期医療等を中心に見られるチーム形態です。

チームを構成する専門職間に階層関係があり、各専門職のチーム内での役割は固定的で相互作用性も小さいという特徴があります。

インターディシプリナリ・モデル(コンセンサスモデル)

利用者が持つ複数のニーズに対応する他分野によるケアサービスの提供の為、1つの目標に対して緊密に相互連携し、ケアを進めていくアプローチです。

メンバー間に階層性はなく相互作用が高い形です。

主に退院を目指した精神科リハビリテーション病棟におけるチームなどの形です。

トランスディシプリナリ・モデル (マトリックスモデル)

チームの中で各メンバーが果たすべき役割を、意図的・計画的に専門分野を超えて横断的に共有した役割解放を行うアプローチです。

インターディシプリナリ・モデルと同じく、メンバー間に階層性はなく相互作用が高いチームの形です。

インターディシプリナリ・モデルとの違いは、役割固定性の強さに違いがあります。

包括型の地域生活支援プログラム (ACT)などが近いでしょう。

包括型地域生活支援プログラム ACT

ACT(Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援プログラム) は、重い精神障害のある人でも地域社会の中で自分らしい生活を実現できるよう、包括的な訪問型支援を提供するチームアプローチの形です。

24時間365日体制で、緊急時はもちろん、利用者の方のために オーダーメイドのサービスを提供するため、看護師・精神保健福祉士・作業療法士・精神科医などからなる多職種が連携します。

利用者の生活の場へ赴くアウトリーチ(訪問支援が支援活動の中心です。

チームアプローチの機能

タスク機能

チームの目標達成のための課題を遂行していく機能です。
課題の明確化、仮説の設定、課題の分析、計画策定、仮説検証などです。

メンテナンス機能

メンテナンス機能は、チームを維持・強化し、メンバー間の関係を補修するための機能です。

チームオリエンテーション、リーダーシップ、メンバー間のコミニュケーション、バックアップ等が重視されます。

まとめ

チームアプローチは、階層性と役割固定制の程度によって、以下のように3つのモデルに分けられます。

マルチディシプリナリ・モデルは医師を頂点とした階層性があり、役割も固定されています。

一方で、インターディシプリナリ・モデルとトランスディシプリナリ・モデルは階層性がなく、役割が固定されているかどうかで異なります。トランスディシプリナリ・モデルでは階層性もなく、役割も固定されず役割代替が容認され、横断的な支援が可能です。

チームアプローチ3モデル

過去問

第21回 問題29 

次の記述のうち、トランスディシプリナリ・モデルによる多職種チームに関する特徴として、適切なものを1つ選びなさい。
1 チームリーダーである医師の指示により、各専門分野の役割を実行する。
2 各職種の専門性をいかし、チームの意思決定に主体的に関与する。
3 専門分野別に目標を設定し、支援する。
4 共通の達成課題を掲げ、各専門職の役割代替が認められる。
5 緊密な相互連携を形成し、多分野からのサービス提供を行う。

1 チームリーダーである医師の指示により、各専門分野の役割を実行する。
これはマルチディシプリナリ・モデルの内容です。

2 各職種の専門性をいかし、チームの意思決定に主体的に関与する。
これはインターディシプリナリ・モデルの内容です。

3 専門分野別に目標を設定し、支援する。
これはマルチディシプリナリ・モデルの内容です。

4 共通の達成課題を掲げ、各専門職の役割代替が認められる。
これが正解、トランスディシプリナリ・モデルです。

5 緊密な相互連携を形成し、多分野からのサービス提供を行う。
これはインターディシプリナリ・モデルの内容です。

第23回 問題29 

次の記述のうち、マルチディシプリナリ・モデルの説明として、正しいものを1つ選びなさい。
1 専門職はあらかじめ決められた役割をこなす。
2 各職種の役割はおおむね固定的であるものの、一部流動することもある。
3 多職種間で役割固定がなく、横断的な支援を行う。
4 各職種の専門性を基に活発に意見交換する。
5 専門職間に階層性がなく、相互作用性は大きい。

1 専門職はあらかじめ決められた役割をこなす。
これが正解、マルチディシプリナリ・モデルの内容です。

2 各職種の役割はおおむね固定的であるものの、一部流動することもある。
これはインターディシプリナリ・モデルの内容です。

3 多職種間で役割固定がなく、横断的な支援を行う。
これはトランスディシプリナリ・モデルの内容です。

4 各職種の専門性を基に活発に意見交換する。
これはインターディシプリナリ・モデルの内容です。

5 専門職間に階層性がなく、相互作用性は大きい。
これはトランスディシプリナリ・モデルの内容です。

第19回 問題29

精神科医療チームにおける多職種連携のモデルや機能に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 インターディシプリナリ・モデルは、他のモデルより課題達成のために多職種間で役割を横断的に共有することが多い。
2 マルチディシプリナリ・モデルは、階層構造の中で医師の指示・指導の下に各職種がそれぞれの専門性を発揮する。
3 トランスディシプリナリ・モデルは、階層性はないが各職種の役割はおおむね固定されている。
4 メンテナンス機能は、目的の一致、役割と責任の相互確認及び情報共有を基本にチームの維持を図ることである。
5 タスク機能は、チームの中に生じる誤解や葛藤に対応するコンフリクトマネジメントをすることである。

1 インターディシプリナリ・モデルは、他のモデルより課題達成のために多職種間で役割を横断的に共有することが多い。
これはトランスディシプリナリ・モデルです。

2 マルチディシプリナリ・モデルは、階層構造の中で医師の指示・指導の下に各職種がそれぞれの専門性を発揮する。
正しいです。

3 トランスディシプリナリ・モデルは、階層性はないが各職種の役割はおおむね固定されている。
これはインターディシプリナリ・モデルです。

4 メンテナンス機能は、目的の一致、役割と責任の相互確認及び情報共有を基本にチームの維持を図ることである。
正しいです。

5 タスク機能は、チームの中に生じる誤解や葛藤に対応するコンフリクトマネジメントをすることである。
これはメンテナンス機能です。

第15回 問題29

精神保健福祉活動における多職種連携に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 マルチディシプリナリ・モデルは、チームを構成する専門職の間に階層関係があり、各専門職のチーム内での役割は固定的であり、相互作用性も小さい所に特徴がある。
2 インターディシプリナリ・モデルは、役割固定性がいっそう低く、各専門職の役割代替が容認され、意図的に役割解放が行われる。
3 トランスディシプリナリ・モデルは、メンバー間の階層性や役割の開放性がなく、機関間の相互作用性が大きくなるという特徴がある。
4 包括型の地域生活支援プログラム (ACT)においては、危機的状況に介入することがおおいため、医師の役割が優先される。
5 多職種チームにおけるメンテナンス機能とは、チームの目的達成の課題を遂行してくことである。

1 マルチディシプリナリ・モデルは、チームを構成する専門職の間に階層関係があり、各専門職のチーム内での役割は固定的であり、相互作用性も小さい所に特徴がある。
これが正解です。

2 インターディシプリナリ・モデルは、役割固定性がいっそう低く、各専門職の役割代替が容認され、意図的に役割解放が行われる。
これはトランスディシプリナリ・モデルです。

3 トランスディシプリナリ・モデルは、メンバー間の階層性や役割の開放性がなく、機関間の相互作用性が大きくなるという特徴がある。
これはインターディシプリナリ・モデルです。

4 包括型の地域生活支援プログラム (ACT)においては、危機的状況に介入することがおおいため、医師の役割が優先される。
ACTは医師の役割が優先されず、あくまでもチームアプローチです。

5 多職種チームにおけるメンテナンス機能とは、チームの目的達成の課題を遂行してくことである。
これはタスク機能です。

社会福祉士 第35回 問題76

次の記述のうち、医療チーム内で専門分野を超えて横断的に役割を共有するトランスディシプリナリモデルの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Fさんの病状が急変したため、医師は、看護師へ静脈注射機材の準備、薬剤師へ薬剤の準備、医療ソーシャルワーカーへ家族への連絡を指示した。
2 災害発生による傷病者の受け入れのため、G病院長は、全職員の招集、医師へのトリアージ、看護師へ手術室の準備、医事課職員へ情報収集などの指示を出した。
3 Hさんの食事摂取の自立の希望を達成するため、理学療法士は座位保持、作業療法士は用具の選定、管理栄養士は食事形態、看護師は食事介助の工夫を行った。
4 一人暮らしで在宅療養中のJさんの服薬管理について、往診医、訪問看護師、薬剤師、訪問介護員、介護支援専門員等の自宅への訪問者それぞれが、Jさんとの間で確認することにした。
5 自立歩行を希望するKさんの目標をゴールに、理学療法士、作業療法士、看護師、介護福祉士とでケースカンファレンスを行い、立位保持訓練の方法を検討した。

選択肢5が適切ですが、選択肢4も誤りとは言えず、不適切問題になりました。

次の事例を読んで、問題30から問題32までについて答えなさい。
〔事 例〕
D精神保健福祉士は、処方薬への依存のためにU精神科病院の薬物依存症外来に通うEさん(26歳、女性)が減薬を目的に入院したことを契機に担当となった。
主治医から話を聞いたり電子カルテの情報を確認したりしたD精神保健福祉士は、Eさんが、幼少期の実母による過酷な虐待や、思春期における性的被害の経験を有していることを把握した。
そこで、薬物問題に加え、過去の逆境体験に対する理解や、その体験が現在に及ぼす影響をも視野に入れた支援が必要であると考えた。(問題 30)
入院時のEさんは挑発的態度を繰り返しており、病棟スタッフとの信頼関係を築けずにいた。
D精神保健福祉士は、過去の体験に基づく強い人間不信や自己否定感が根底にあることを読み取り、温かく落ち着いた関わりを続けた。
その結果、Eさんは、主治医とD精神保健福祉士には心を許すようになり、「死にたい」と苦しい胸の内を打ち明けるようにもなった。(問題 31)
Eさんは、病棟内のプログラム参加には消極的で、ルール違反ばかり繰り返していた。
スタッフに注意されると、暴言を吐いたり自殺をほのめかしたりするので、スタッフの間にはEさんに対するネガティブな感情や不全感が蓄積され、いつしか病棟チーム全体が機能不全に陥りつつあった。
そこで、D精神保健福祉士はケアカンファレンスでEさんを取り上げることを提案した。
その中で病状や治療方針を共有したり、スタッフがEさんとの関わりの中で受けた傷つきや恐れの気持ちを表出できるよう働きかけたりした。
また、相互の役割を確認し、日々の苦労をスタッフ間でねぎらい合えるようにした。
その結果、病棟チームにあった刺々しい雰囲気が薄れ、Eさんの言動も徐々に落ち着きをみせるようになった。(問題 32)
D精神保健福祉士は、Eさんの退院後の安全な生活を重視するとともに、過去に植え付けられた無力感や自己否定感から解放されることを目標とした。
そして、もう一度自分の人生に対するコントロール感を取り戻すために、ストレングスに着目した支援を大切にしたいと考えていた。

第23回 問題30 

次のうち、この時点でD精神保健福祉士が意識したEさんに対するアプローチとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 フェミニストアプローチ
2 課題中心アプローチ
3 ナラティブアプローチ
4 トラウマインフォームドアプローチ
5 解決志向アプローチ

選択肢4が正解です。

第23回 問題31 

次の記述のうち、D精神保健福祉士がこの時点において行った対応として、適切なものを2つ選びなさい。
1 Eさんには内緒で、両親に希死念慮があることを話した。
2 つらくても死んだりしないという約束をEさんから取りつけた。
3 どんなときに死にたくなるかをEさんに尋ねた。
4 人の命がいかに尊いものかをEさんに説明した。
5 Eさんが正直に気持ちを話してくれたことへの感謝を伝えた。

選択肢3と5が正解です。

第23回 問題32 

次のうち、D精神保健福祉士がケアカンファレンスを通して病棟チームに果たした機能として、正しいものを1つ選びなさい。
1 管理的機能
2 メンテナンス機能
3 教育的機能
4 タスク機能
5 支持的機能

選択肢2が正解です。

選択肢1、3、5はスーパービジョンの機能です。

第23回 問題40 

次の記述のうち、包括型地域生活支援プログラム(ACT)の標準モデルとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 軽度の精神障害者で、かつ本人の希望があれば利用できる。
2 ケアの提供は日中を基本とし、夜間や休日は他機関に委ねる。
3 担当者が不在の時にも、多職種チームがケアを提供する。
4 利用開始時に期限を決めて、短期間で支援を終結する。
5 仲介型のケアマネジメントを基本とする。
(注) 包括型地域生活支援プログラム(ACT)の標準モデルとは、「ACTの標準モデル-ACT全国ネットワーク」(ACT全国ネットワーク発行)の内容とする。

1 軽度の精神障害者で、かつ本人の希望があれば利用できる。
間違いです。ACTは重度の精神障害者が対象です。

2 ケアの提供は日中を基本とし、夜間や休日は他機関に委ねる。
間違いです。24時間、365日体制です。

3 担当者が不在の時にも、多職種チームがケアを提供する。
正しいです。

4 利用開始時に期限を決めて、短期間で支援を終結する。
間違いです。期限を決めたり短期間で支援を終結したりしません。

5 仲介型のケアマネジメントを基本とする。
間違いです。仲介型のケアマネジメントは介護保険制度で行われていますが、ACTは仲介ではなく直接支援します。

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