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【国際疾病分類ICD】F群を俯瞰する

ICD【新カリ】精神医学と精神医療
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  1. ICD-10による疾病の分類
  2. F00-F99 精神および行動の障害
    1. F0 症状性を含む器質性精神障害
    2. F1 精神作用物質使用による精神及び行動の障害
    3. F2 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
    4. F3 気分[感情]障害
    5. F4 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害
    6. F5 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
    7. F6 成人の人格及び行動の障害
    8. F7 知的障害〈精神遅滞〉
    9. F8 心理的発達の障害
    10. F9 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害
    11. F4群
      1. F40 恐怖症性不安障害
      2. F41 その他の不安障害
      3. F42 強迫性障害<強迫神経症>
      4. F43 重度ストレスへの反応及び適応障害
      5. F44 解離性[転換性]障害
      6. F45 身体表現性障害
      7. F48 その他の神経症性障害
  3. 精神, 行動, 神経発達の障害(ICD-11)
    1. 神経発達症
    2. 統合失調症または他の一次性精神症
    3. 緊張病 [カタトニア]
    4. 気分症
    5. 不安または恐怖関連症
    6. 強迫症または関連症
    7. ストレス関連症
    8. 解離症
    9. 食行動症または摂食症
    10. 排泄症
    11. 身体的苦痛症または身体的体験症
    12. 物質使用または嗜癖行動による障害
    13. 衝動制御症
    14. 秩序破壊的または非社会的行動症
    15. パーソナリティ障害及び関連特性
    16. パラフィリア症
    17. 作為症
    18. 神経認知障害
    19. 妊娠, 出産または産褥に関連した精神または行動の障害
    20. 他に分類される障害または疾患に関連する二次性の精神または行動の症候群
  4. 過去問
    1. 第22回 問題2
    2. 第19回 問題3
    3. 第16回 問題4
    4. 第18回 問題3
  5. 次の記事

ICD-10による疾病の分類

国際疾病分類ICDは世界保健機関WHOの勧告により国際的に統一した基準で定められた疾病の分類です。

1900年に初めて国際会議で承認されて以降、WHOにおいて約10年ごとに改訂が行われ、第10版となるICD-10は1990年にWHO総会において承認されました。

ICD-10では、AからZまでのコードで疾病が分類されています(赤字は最新のICD-11で追加変更された内容)。

A00-B99 感染症および寄生虫症
C00-D48 新生物<腫瘍>
D50-D89 血液および造血器の疾患
      免疫系の疾患
E00-E90 内分泌,栄養および代謝疾患
F00-F99 精神および行動の障害(→精神,行動,神経発達の障害)
      睡眠・覚醒障害
G00-G99 神経系の疾患
H00-H59 眼および付属器の疾患
H60-H95 耳および乳様突起の疾患
I00-I99 循環器系の疾患
J00-J99 呼吸器系の疾患
K00-K93 消化器系の疾患
L00-L99 皮膚および皮下組織の疾患
M00-M99 筋骨格系および結合組織の疾患
N00-N99 腎尿路性器系の疾患
      性保健健康関連の病態
O00-O99 妊娠,分娩および産じょく<褥>
P00-P96 周産期に発生した病態
Q00-Q99 先天奇形,変形および染色体異常
R00-R99 症状,徴候および異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの
S00-T98 損傷,中毒およびその他の外因の影響
V01-Y98 傷病および死亡の外因
Z00-Z99 健康状態に影響をおよぼす要因および保健サービスの利用
U00-U99 特殊目的用コード
              補助チャプター 伝統医学の病態・モジュールⅠ
              第V章 生活機能評価に関する補助セクション
              第X章 エクステンションコード

F00-F99 精神および行動の障害

ICD-10で、F群(F00-F99)は「精神および行動の障害」に大分類されています。
このF群は以下のように、F0~F9まで分類され、さらに細かく疾患名が分けられています。
詳しく見てみましょう。

F0 症状性を含む器質性精神障害

F00 アルツハイマー病の認知症
F01 血管性認知症
F02 他に分類されるその他の疾患の認知症
F03 詳細不明の認知症
F04 器質性健忘症候群,アルコールその他の精神作用物質によらないもの
F05 せん妄,アルコールその他の精神作用物質によらないもの
F06 脳の損傷及び機能不全並びに身体疾患によるその他の精神障害
F07 脳の疾患,損傷及び機能不全による人格及び行動の障害
F09 詳細不明の器質性又は症状性精神障害

F1 精神作用物質使用による精神及び行動の障害

F10 アルコール使用<飲酒>による精神及び行動の障害
F11 アヘン類使用による精神及び行動の障害
F12 大麻類使用による精神及び行動の障害
F13 鎮静薬又は催眠薬使用による精神及び行動の障害
F14 コカイン使用による精神及び行動の障害
F15 カフェインを含むその他の精神刺激薬使用による精神及び行動の障害
F16 幻覚薬使用による精神及び行動の障害
F17 タバコ使用<喫煙>による精神及び行動の障害
F18 揮発性溶剤使用による精神及び行動の障害
F19 多剤使用及びその他の精神作用物質使用による精神及び行動の障害

F2 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害

F20 統合失調症
F21 統合失調症型障害
F22 持続性妄想性障害
F23 急性一過性精神病性障害
F24 感応性妄想性障害
F25 統合失調感情障害
F28 その他の非器質性精神病性障害
F29 詳細不明の非器質性精神病

F3 気分[感情]障害

F30 躁病エピソード
F31 双極性感情障害<躁うつ病>
F32 うつ病エピソード
F33 反復性うつ病性障害
F34 持続性気分[感情]障害
F38 その他の気分[感情]障害
F39 詳細不明の気分[感情]障害

F4 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害

F40 恐怖症性不安障害
F41 その他の不安障害
F42 強迫性障害<強迫神経症>
F43 重度ストレスへの反応及び適応障害
F44 解離性[転換性]障害
F45 身体表現性障害
F48 その他の神経症性障害

F5 生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群

F50 摂食障害
F51 非器質性睡眠障害(→睡眠・覚醒障害)
F52 性機能不全,器質性障害又は疾病によらないもの(→性保健健康関連の病態)
F53 産じょく<褥>に関連した精神及び行動の障害,他に分類されないもの
F54 他に分類される障害又は疾病に関連する心理的又は行動的要因
F55 依存を生じない物質の乱用
F59 生理的障害及び身体的要因に関連した詳細不明の行動症候群

F6 成人の人格及び行動の障害

F60 特定の人格障害
F61 混合性及びその他の人格障害
F62 持続的人格変化,脳損傷及び脳疾患によらないもの
F63 習慣及び衝動の障害
F64 性同一性障害(→性保健健康関連の病態)
F65 性嗜好の障害
F66 性発達及び方向づけに関連する心理及び行動の障害
F68 その他の成人の人格及び行動の障害
F69 詳細不明の成人の人格及び行動の障害

F7 知的障害〈精神遅滞〉

F70 軽度知的障害〈精神遅滞〉
F71 中等度知的障害〈精神遅滞〉
F72 重度知的障害〈精神遅滞〉
F73 最重度知的障害〈精神遅滞〉
F78 その他の知的障害〈精神遅滞〉
F79 詳細不明の知的障害〈精神遅滞〉

F8 心理的発達の障害

F80 会話及び言語の特異的発達障害
F81 学習能力の特異的発達障害
F82 運動機能の特異的発達障害
F83 混合性特異的発達障害
F84 広汎性発達障害
F88 その他の心理的発達障害
F89 詳細不明の心理的発達障害

F9 小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害

F90 多動性障害
F91 行為障害
F92 行為及び情緒の混合性障害
F93 小児<児童>期に特異的に発症する情緒障害
F94 小児<児童>期及び青年期に特異的に発症する社会的機能の障害
F95 チック障害
F98 小児<児童>期及び青年期に通常発症するその他の行動及び情緒の障害

カリスマくん
カリスマくん

F群はざっくりと以下のように簡略化して記憶してね。

F0:認知症
F1:精神作用物質による障害(アルコールや薬物)
F2:統合失調症
F3:気分障害(躁うつ病など)
F4:神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害
F5:生理的障害(摂食障害など)
F6:人格障害、性同一性障害
F7:知的障害
F8:発達障害
F9:多動性障害、チック障害

F群をみてみると、認知症(F0)や知的障害(F7)は脳の器質的障害、精神作用物質による障害(F1)はアルコールや薬物などの精神作用物質が原因、統合失調症(F2)は陽性症状や陰性症状、気分障害(F3)は感情の変動など、はっきりした原因や特定の症状で定義されるうる疾患が並んでいますが、「神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)」については、器質的障害でもなく共通するような症状もない、非常に捉えにくい疾患です。

詳しく見ていきましょう。

F4群

「神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害(F4)」は、強いストレスやショックなど精神的に強い負荷がかかったことによる精神障害の総称です。

強いストレスを伴う出来事に直面した恐怖や絶望感が原因で、防衛機制が働いて様々な症状が出ます。
以下で見ていきましょう。

F40 恐怖症性不安障害

危険がない対象や状況に対して恐怖や不安を感じる障害、対人恐怖や広場恐怖などです。

F41 その他の不安障害

パニック障害、全般性不安障害、混合性不安抑うつ障害などです。

F42 強迫性障害<強迫神経症>

強迫性障害は、強迫思考や強迫行為が特徴です。

F43 重度ストレスへの反応及び適応障害

診断基準としては「明瞭に同定できるストレス因の発生と神経症症状の発現の間に時間的関連があり、この心因的な衝撃がなければ症状の発現はなかったと判断できる」となっています。

急性ストレス障害外傷後ストレス障害適応障害など。

F44 解離性[転換性]障害

解離性障害は、従来「ヒステリー」と呼ばれていた障害で、解離性健忘、多重人格、離人症性障害、解離性昏迷、トランス、憑依障害、ガンザー症候群などが該当します。

ガンザー症候群は、刑務所や閉鎖病棟など自由を抑圧された環境下に置かれた人に見られる精神症状(拘禁反応)で、曖昧で的外れな答えが特徴のヒステリー精神状態です。

憑依障害は、霊・神など他者に取り付かれていると確信する症状です。

F45 身体表現性障害

身体表現性障害は、検査をしても異常所見が見られなくても身体的な症状を訴える障害です。

F48 その他の神経症性障害

神経衰弱や離人症などです。
離人症は、周囲の出来事や人々、自分に対して現実感がなくなり、夢の中にいるような奇妙な感じに襲われる症状です。

精神, 行動, 神経発達の障害(ICD-11)

最新のICD-11では、ICD-10の「精神および行動の障害」という名称から「精神, 行動, 神経発達の障害」と変更されました。編成も以下の通り変わっています。

・神経発達症
・統合失調症または他の一次性精神症
・緊張病 [カタトニア]
・気分症
・不安または恐怖関連症
・強迫症または関連症
・ストレス関連症
・解離症
・食行動症または摂食症
・排泄症
・身体的苦痛症または身体的体験症
・物質使用または嗜癖行動による障害
・衝動制御症
・秩序破壊的または非社会的行動症
・パーソナリティ障害及び関連特性
・パラフィリア症
・作為症
・神経認知障害
・妊娠, 出産または産褥に関連した精神または行動の障害
・他に分類される障害または疾患に関連する二次性の精神または行動の症候群

神経発達症

6A00 知的発達症
6A01 発達性発話または言語症
6A02 自閉スペクトラム症自閉症、アスペルガー症候群
6A03 発達性学習症
6A04 発達性協調運動症
6A05 注意欠如多動症注意欠陥多動障害 (ADHD)
6A06 常同運動症
6A0Y その他の明示された神経発達症
6A0Z 神経発達症, 詳細不明

統合失調症または他の一次性精神症

6A20 統合失調症統合失調症
6A21 統合失調感情障害
6A22 統合失調症型障害
6A23 急性一過性精神症
6A24 妄想性障害
6A25 一次性精神病の徴候
6A2Y その他の明示された一次性精神症
6A2Z 統合失調症または他の一次性精神症, 詳細不明

緊張病 [カタトニア]

6A40 精神疾患に関連した緊張病
6A41 物質または医薬品で誘発される緊張病
6A4Z 緊張病, 詳細不明

気分症

双極症または関連症双極症I型、双極症II型、気分循環症など
抑うつ症単一エピソードうつ病、反復性うつ病など

不安または恐怖関連症

6B00 全般不安症全般性不安障害
6B01 パニック症パニック障害
6B02 広場恐怖症
6B03 限局性恐怖症
6B04 社交不安症社会不安障害
6B05 分離不安症
6B06 場面緘黙
6B0Y その他の明示された不安または恐怖関連症
6B0Z 不安または恐怖関連症, 詳細不明

強迫症または関連症

6B20 強迫性症強迫性障害
6B21 醜形恐怖症身体醜形障害
6B22 自己臭症
6B23 心気症
6B24 ためこみ症溜め込み障害
6B25 身体への反復行動症抜毛癖、皮膚引っ掻き症
6B2Y その他の明示された強迫症または関連症
6B2Z 強迫症または関連症, 詳細不明強迫性障害および関連障害群

ストレス関連症

6B40 心的外傷後ストレス症
6B41 複雑性心的外傷後ストレス症
6B42 遷延性悲嘆症
6B43 適応反応症
6B44 反応性アタッチメント症
6B45 脱抑制性対人交流症
6B4Y その他の明示されたストレス関連症
6B4Z ストレス関連症, 詳細不明

解離症

6B60 解離性神経症状障害
6B61 解離性健忘
6B62 トランス症
6B63 憑依トランス症
6B64 解離性同一性症
6B65 部分的解離性同一性症
6B66 離人感・現実感喪失症
6B6Y その他の明示された解離症
6B6Z 解離症, 詳細不明

食行動症または摂食症

6B80 神経性やせ症
6B81 神経性過食症
6B82 むちゃ食い症
6B83 回避・制限性食物摂取症
6B84 異食症
6B85 反芻・吐き戻し症
6B8Y その他の明示された食行動症または摂食症
6B8Z 食行動症または摂食症, 詳細不明

排泄症

6C00 遺尿症
6C01 遺糞症
6C0Z 排泄症, 詳細不明

身体的苦痛症または身体的体験症

6C20 身体的苦痛症
6C21 身体完全性違和
6C2Y その他の明示された身体的苦痛症または身体的体験症
6C2Z 身体的苦痛症または身体的体験症, 詳細不明

物質使用または嗜癖行動による障害

物質使用による障害
嗜癖行動による障害

衝動制御症

6C70 放火症
6C71 窃盗症
6C72 強迫的性行動症
6C73 間欠爆発症
6C7Y その他の明示された衝動制御症
6C7Z 衝動制御症, 詳細不明

秩序破壊的または非社会的行動症

6C90 反抗挑発症
6C91 素行・非社会的行動症
6C9Y その他の明示された秩序破壊的または非社会的行動症
6C9Z 秩序破壊的または非社会的行動症, 詳細不明

パーソナリティ障害及び関連特性

パーソナリティ障害
顕著なパーソナリティ特性または特徴

パラフィリア症

6D30 露出症
6D31 窃視症
6D32 小児性愛症
6D33 強制的性サディズム症
6D34 窃触症
6D35 同意しない者を対象とする他のパラフィリア症
6D36 単独で行うまたは同意する者を対象とする他のパラフィリア症
6D3Z パラフィリア症, 詳細不明

作為症

6D50 自らに負わせる作為症
6D51 他者に負わせる作為症
6D5Z 作為症, 詳細不明

神経認知障害

6D70 せん妄
6D71 軽度認知障害
6D72 健忘症
認知症アルツハイマー病による認知症、脳血管疾患による認知症、レビー小体病による認知症、前頭側頭型認知症など
6E0Y その他の明示された神経認知障害
6E0Z 神経認知障害, 詳細不明

妊娠, 出産または産褥に関連した精神または行動の障害

6E20 妊娠, 出産または産褥に関連した精神または行動の障害, 精神病症状を伴わない
6E21 妊娠, 出産または産褥に関連した精神または行動の障害, 精神病症状を伴う
6E2Z 妊娠, 出産または産褥に関連した精神または行動の障害, 詳細不明
6E40 他に分類される障害または疾患に影響する心理的または行動的要因

他に分類される障害または疾患に関連する二次性の精神または行動の症候群

6E60 二次性神経発達症候群
6E61 二次性精神病症候群
6E62 二次性気分症候群
6E63 二次性不安症候群
6E64 二次強迫症または関連症候群
6E65 二次解離症候群
6E66 二次性衝動制御症候群
6E67 二次性神経認知症候群
6E68 二次性パーソナリティ変化
6E69 二次性緊張病症候群
6E6Y その他の明示された二次性の精神または行動の症候群
6E6Z 二次性の精神または行動の症候群, 詳細不明
6E8Y その他の明示された精神, 行動, 神経発達の障害
6E8Z 精神, 行動, 神経発達の障害, 詳細不明

過去問

第22回 問題2

次のうち、ICD-10において、解離性(転換性)障害に含まれているものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 トランスおよび憑依障害
2 強迫性障害
3 パニック障害
4 身体化障害
5 離人・現実感喪失症候群

解離性障害は「神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害(F4)」に分類されます。
その解離性障害は、いわゆる「ヒステリー」のことで、トランスや憑依障害、ガンザー症候群などもそうでしたね。
ということで正解は選択肢1です。

第19回 問題3

次のうち、ICD-10に基づく「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害(F4)」に含まれる疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1 チック障害
2 適応障害
3 双極性感情障害
4 統合失調症
5 血管性認知症

1 チック障害
間違いです。チック障害は「小児<児童>期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F9)」の「F95」に分類されます。

2 適応障害
これが正解です。適応障害は「神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害(F4)」の「重度ストレスへの反応及び適応障害(F43)」に分類されます。

3 双極性感情障害
間違いです。双極性感情障害は「気分[感情]障害(F3)」の「F31」に分類されます。

4 統合失調症
間違いです。統合失調症は「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(F2)」の「F20」に分類されます。

5 血管性認知症
間違いです。血管性認知症は「症状性を含む器質性精神障害(F0)」の「F01」に分類されます。

第16回 問題4

次のうち、ICD-10(国際疾病分類第10版)で「F4.神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害」に分類されるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 一過性全健忘
2 気分変調症
3 ガンザー症候群
4 レット症候群
5 トゥレット症候群

1 一過性全健忘
間違いです。一過性全健忘はG群「神経系の疾患」に分類されています。

2 気分変調症
間違いです。気分変調症は「気分障害(F3)」の「持続性気分[感情]障害(F34)」に分類されます。

3 ガンザー症候群
これが正解です。「解離性障害(F44)」に分類されています。

4 レット症候群
間違いです。レット症候群は、乳幼児早期に発症し発達障害をもたらす難病です。獲得していた手足の運動や言葉が失われていく一方で、筋緊張の異常や姿勢ジストニア、知的障害、てんかんなどが年齢とともに現れてきます。「心理的発達の障害(F8)」の「広汎性発達障害(F84)」に分類されています。

5 トゥレット症候群
トゥレット症候群は、突発的、不随意的に急速な動きや発声を繰り返す音声チックと運動チックが長期間続くチック障害です。
「小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害(F9)」の「チック障害(F95)」に分類されています。

第18回 問題3

ICD−10における精神および行動の障害に関する次の組合せのうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 症状性を含む器質性精神障害 —– 広汎性発達障害
2 統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害 —– 急性一過性精神病性障害
3 気分(感情)障害 —– 統合失調感情障害
4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害 —– 摂食障害
5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群 —– 性同一性障害

1 症状性を含む器質性精神障害 —– 広汎性発達障害
間違いです。広汎性発達障害は「心理的発達の障害(F8)」に分類されます。

2 統合失調症、統合失調型障害および妄想性障害 —– 急性一過性精神病性障害
これが正解です。

3 気分(感情)障害 —– 統合失調感情障害
間違いです。統合失調感情障害は「統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害(F2)」に分類されます。

4 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害 —– 摂食障害
間違いです。摂食障害は「生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群(F5)」に分類されます。

5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群 —– 性同一性障害
間違いです。性同一性障害は「成人の人格および行動の障害(F6)」に分類されます。

次の記事

次は、精神疾患の診断・統計マニュアルDSMについて。

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