ストレッサー
ストレッサーとはストレスの原因となる刺激のことです。
ストレスコーピング
ストレスコーピングとはストレスへの対処法のことです。
ストレスコーピングには以下の3種類あります。
・情動焦点型コーピング
・ストレス解消型コーピング
詳細は以下の記事を参照してください。
ストレス関連障害
ストレスを受けたことで起こるストレス関連障害は、「急性ストレス障害」と「外傷後ストレス障害(PTSD:Post Traumatic Stress Disorder)」に分類されます。
どちらも死や重症になるような災害、交通事故、虐待などの非常に大きなストレスが要因となって、恐怖や不安、緊張や抑うつ状態が続きます。
PTSDと急性ストレス障害の違いは、症状の持続期間にあります。
外傷後ストレス障害(PTSD):症状が4週間以上持続
バーンアウト
バーンアウト(燃え尽き症候群)とは、ひとつの物事に没頭していた人が心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなることです。
ストレスを溜め込むことで、バーンアウトの危険性が高まります。
詳細については以下の記事を参照してください。
ストレスチェック制度
ストレスチェック制度は、労働安全衛生法(第66条の10)に基づいて、2015年12月から実施が義務づけられた制度です。
第66条には健康診断と合わせてこのストレスチェック制度について規定されています。
法律的には「ストレスチェック」ではなく「心理的な負担の程度を把握するための検査等」という表現になっています。
目的
ストレスチェック制度の目的は、「メンタルヘルス不調を未然に防止する一次予防と職場の改善」です。
一次予防が目的であることを押さえておきましょう。
対象
労働者50人未満の事業所:努力義務
50人以上の事業所は必ず実施しなければなりませんが、労働者には受検義務はありません。
契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。
検査の実施者
検査の実施者は「医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士・公認心理師」の中から選ぶ必要があるとされています。
つまり、医師や保健師であれば研修は不要ですが、看護師や精神保健福祉士が実施者となるには厚生労働大臣が定める研修を受けなければなりません。
方法
厚生労働省推奨「職業性ストレス簡易調査票」を基にした、仕事に関わるストレスの状況について57項目の質問票(チェックシート)により、その結果を評価・判定します。
留意点
・ストレスチェック調査の事務には、労働者の解雇・昇進・異動に関しての直接の権限を持つ監督的地位にある人は従事できません。
・本人の同意なく中身を第三者に見られることはありません。
・検査の結果、「医師による面接指導が必要」とされた労働者に対して、事業者は医師による面接指導を実施しなければなりません(労働者側は受ける義務はありません)。
・ストレスチェックを受けないこと、医師による面接指導を受けたい旨の申出を行ったこと、結果の事業者への提供に同意しないこと、医師による面接指導の申出を行わないことなどを理由に労働者に対して不利益な取扱いを行うことは禁止です。
・面接指導の結果を理由として、解雇、雇い止め、退職勧奨、不当な動機・目的による配置転換・職位の変更を行うことも禁止です。
過去問
第21回 問題11
ストレスに関連する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 急性ストレス反応とは、被災や被害後、症状が1か月を超えて持続するものである。
2 ライフイベントとは、並外れた脅威や破局的な性質の体験のことである。
3 ストレッサーとは、外部からの刺激によって生ずる歪みのことである。
4 バーンアウトとは、逆境を跳ね返して生きる力のことである。
5 ストレスコーピングとは、個人が有するストレスへの対処方法のことである。
1 急性ストレス反応とは、被災や被害後、症状が1か月を超えて持続するものである。
間違いです。急性ストレス反応は、4週間以内に症状がなくなります。
4週間以上続く場合はPTSDと呼ばれます。
2 ライフイベントとは、並外れた脅威や破局的な性質の体験のことである。
間違いです。ライフイベントとは、誰もが経験する就学、就職、結婚等のイベントを指します。
3 ストレッサーとは、外部からの刺激によって生ずる歪みのことである。
間違いです。ストレッサーとはストレスを与えるものです。
4 バーンアウトとは、逆境を跳ね返して生きる力のことである。
間違いです。バーンアウトは燃え尽き症候群と言われるように、頑張りすぎて仕事等への意欲を失ってしまった状態です。
5 ストレスコーピングとは、個人が有するストレスへの対処方法のことである。
これが正解です。
第21回 問題14
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 休職者が職場復帰する際のストレス耐性を把握することが目的である。
2 労働者 50 人以上の事業場の事業者には、実施する努力義務がある。
3 保健師が検査の実施者となるためには、厚生労働大臣の定める研修を修了する必要がある。
4 事業者が個人の検査結果の提供を受ける場合は、検査結果を通知した後に個別に同意を取得する必要がある。
5 高ストレス者と判定された労働者は、医師による面接指導を受ける義務がある。
1 休職者が職場復帰する際のストレス耐性を把握することが目的である。
間違いです。職場復帰者に限らず労働者にストレスチェックを義務づけています。
2 労働者 50人以上の事業場の事業者には、実施する努力義務がある。
間違いです。50人以上の事業場の事業者には義務づけられています。
50人以下なら努力義務です。
3 保健師が検査の実施者となるためには、厚生労働大臣の定める研修を修了する必要がある。
間違いです。「医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士」の中から選ぶ必要があるとされていますので、保健師であれば研修は必要ありません。
4 事業者が個人の検査結果の提供を受ける場合は、検査結果を通知した後に個別に同意を取得する必要がある。
これが正解です。
5 高ストレス者と判定された労働者は、医師による面接指導を受ける義務がある。
間違いです。義務ではなく希望すれば受けることができます。
第18回 問題16
「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度」とは、「労働安全衛生法」で定める「労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査及びその結果に基づく面接指導の実施等を事業者に義務づける制度」のことである。
1 精神疾患に罹患している労働者を発見することが目的である。
2 労働者数50人未満の事業場の事業者にも、実施義務がある。
3 精神保健福祉士が検査の実施者となるためには、一定の要件を満たす必要がある。
4 実施者は検査結果を、事業者に通知する義務がある。
5 心理的負担の程度が高い労働者は、医師による面接指導を受ける義務がある。
1 精神疾患に罹患している労働者を発見することが目的である。
間違いです。労働者のメンタルヘルス不調の未然防止が主な目的です。
2 労働者数50人未満の事業場の事業者にも、実施義務がある。
間違いです。労働者が50人以上の事業所に義務付けられており、50人未満の事業所では努力義務です。
3 精神保健福祉士が検査の実施者となるためには、一定の要件を満たす必要がある。
これが正解です。「医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士」の中から選ぶ必要があるとされています。
精神保健福祉士が行う場合は、厚生労働大臣の定める研修を受けるという一定の要件があります。
4 実施者は検査結果を、事業者に通知する義務がある。
間違いです。実施者が検査結果を事業者に通知するには被験者の同意が必要になります。
5 心理的負担の程度が高い労働者は、医師による面接指導を受ける義務がある。
間違いです。義務ではなく本人の希望があれば受けることができます。
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