修正型電気けいれん療法(m‐ECT:modified Electro Convulsive Therapy)は、頭部に電極をあて数秒間電気刺激を与えて脳内に発作を誘発し、切迫した精神障害を改善する治療法です。
治療の対象
・難治性の統合失調症
・重度の気分障害
・重度の気分障害
統合失調症などは薬物治療が主流ですが、高齢者や妊娠中の女性など薬物治療が難しい場合にも、この修正型電気けいれん療法が使えます。
治療の流れ

①治療前日から飲食を制限する
②麻酔薬と筋弛緩薬を投与し眠る
③前頭部より数秒間の電気刺激(パルス波電流)を与える
④麻酔から覚醒後に病棟に戻り観察室で様子を見る
②麻酔薬と筋弛緩薬を投与し眠る
③前頭部より数秒間の電気刺激(パルス波電流)を与える
④麻酔から覚醒後に病棟に戻り観察室で様子を見る
副作用
痙攣発作、血圧上昇、物忘れなどが副作用として現れることがあります。
頭部に電気を流すと聞くと危なそうですが、死亡する確率は5万分の1程度です。
過去問
第21回 問題8
修正型電気けいれん療法に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1 施行前の飲食の制限は不要である。
2 てんかんの主たる治療法である。
3 妊娠中の女性にも行うことができる。
4 副作用を減らすために、サイン波電流を用いる。
5 麻酔科医との連携が必要である。
1 施行前の飲食の制限は不要である。
間違いです。前日夜から飲食の制限があります。
2 てんかんの主たる治療法である。
間違いです。難治性の統合失調症や重度の気分障害でうつ状態や躁状態にある方などが対象です。
3 妊娠中の女性にも行うことができる。
正しいです。
4 副作用を減らすために、サイン波電流を用いる。
間違いです。従来はサイン波電流が用いられていましたが、現在ではパルス波電流が用いられています。
5 麻酔科医との連携が必要である。
正しいです。麻酔と筋弛緩剤の投与が行われるため、麻酔科医との連携は不可欠です。
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