地域移行とは
障害者の「地域移行」とは、施設や病院から出て、自ら選んだ地域の住まいで自分らしい暮らしを実現することです。
施設に入所している障害者や精神科病院に入院している精神障害者などに対して、施設や病院から出て自分の選んだ住まいで暮らせるよう支援する「地域移行支援」「地域定着支援」というサービスがあります。
グループホームに入居している人は既に地域移行を成し遂げているよ!
グループホームと入所施設は違うよ!
障害者総合支援法には以下の2種類の相談支援事業が規定されています。
・特定相談支援(計画相談支援、基本相談支援)
このうち、一般相談支援が障害者の地域移行や地域定着を支援するサービスです。
地域移行支援
対象
・障害者支援施設等に入所している15歳以上の障害者みなしの者
・精神科病院に入院している精神障害者
・生活保護施設(救護施設及び更生施設)に入所している障害者
・刑事施設(刑務所、少年刑務所、拘置所)及び少年院に入所している障害者
・更生保護施設等に入所している障害者
サービス内容
・訪問相談
・同行支援
・関係機関との連絡調整
・障害福祉サービスの体験利用
・一人暮らしに向けた体験宿泊
地域定着支援
地域移行支援で単身生活を始めても、定着しなければ意味がありませんので、そのために「地域定着支援」というサービスがあります。
対象
・居宅において家族と同居している障害者であっても、家族が障害や疾病等のため家族による緊急時の支援が見込めない状況にある者
サービス内容
・緊急時の対応(訪問や電話等による状況把握、関係機関等への連絡調整、一時的な滞在)
過去問
第16回 問題44
「障害者総合支援法」における精神障害者の地域移行支援に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 一般病床に1年以上入院している者も利用できる。
2 特別養護老人ホームに入所している者も利用できる。
3 障害者支援施設に入所している者も利用できる。
4 「医療観察法」に基づき、指定医療機関に入院している者も利用できる。
5 グループホーム(共同生活援助)に入居している者も利用できる。
1 一般病床に1年以上入院している者も利用できる。
間違いです。利用できません。精神科病床なら利用できます。
2 特別養護老人ホームに入所している者も利用できる。
間違いです。利用できません。
3 障害者支援施設に入所している者も利用できる。
正しいです。
4 「医療観察法」に基づき、指定医療機関に入院している者も利用できる。
正しいです。
5 グループホーム(共同生活援助)に入居している者も利用できる。
間違いです。グループホームに入居している時点で、すでに「地域移行」を成し遂げています。
第20回 問題126
次の機関における地域移行・地域定着支援に関わる専門職の支援として、正しいものを2つ選びなさい。
1 精神科病院では、地域移行に向けて個別事例のケア会議の開催を調整する。
2 指定特定相談支援事業所では、地域移行のための外出時の同行支援を行う。
3 基幹相談支援センターでは、地域の体制整備に係るコーディネーターの役割を担う。
4 指定一般相談支援事業所では、介護給付のための障害支援区分の認定を行う。
5 救護施設では、地域生活支援のためのサービス等利用計画を作成する。
1 精神科病院では、地域移行に向けて個別事例のケア会議の開催を調整する。
正しいです。
2 指定特定相談支援事業所では、地域移行のための外出時の同行支援を行う。
間違いです。特定相談支援は計画相談支援と基本相談支援です。地域移行支援を行うのは特定相談支援ではなく一般相談支援です。
3 基幹相談支援センターでは、地域の体制整備に係るコーディネーターの役割を担う。
正しいです。
4 指定一般相談支援事業所では、介護給付のための障害支援区分の認定を行う。
間違いです。区分認定は市町村の役割です。
5 救護施設では、地域生活支援のためのサービス等利用計画を作成する。
間違いです。サービス等利用計画を作成するのは特定相談支援の計画相談支援です。
第19回 問題59
「障害者総合支援法」に規定されている特定相談支援事業として行うこととされているものを2つ選びなさい。
1 基本相談支援
2 障害児相談支援
3 地域移行支援
4 地域定着支援
5 計画相談支援
選択肢1と5が正解です。
次の記事
次は、精神障害者の就労支援について。
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