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【セルフエスティーム&セルフエフィカシー】自己肯定感はどっちだ?

セルフエスティーム&セルフエフィカシー心理的支援
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セルフ・エスティーム

セルフエスティームは「自尊感情」であり、 「ありのままの自分自身を認め、愛する気持ち」です。

自尊感情は、外見や性格、特技、病気、長所や短所なども全てひっくるめた自分を尊ぶ感情です。

ユニセフの幸福度調査では、オランダの子どもたちの幸福度が先進国の中で最も高いらしいです。

日本の子供は自尊感情が低いことが指摘されており、「日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか」古荘純一著(児童精神科医)によると、日本の子どもの自尊感情が低い原因は、教育システムにもあると指摘しています。

セルフ・エフィカシー

セルフ・エフィカシーは「自己効力感」と呼ばれ、ある行動をうまく行うことができるという「自信」のことです。

人がある行動へのセルフ・エフィカシーを強く感じていると、その行動を行う可能性が高くなり、その行動をするための努力を惜しまず、失敗や困難を伴っても諦めにくくなります。

セルフ・エフィカシーもセルフ・エスティームも「レジリエンス」の源です。

アンビバレンス

アンビバレンスは、ある対象に対して、相反する感情を同時に持ったり、相反する態度を同時に示すことです。

例えば、同じ人に対して愛と憎しみという相反する感情を持つなどです。

アパシー

アパシーとは、無気力・無関心になってしまうことです。

過去問

スーパービジョンに向け、自分の関わりを振り返った精神保健福祉士(34歳、女性)の記録(事例)を読んで、問題33から問題35までについて答えなさい。
〔事 例〕
Fさん(32歳、女性)は、私が勤務する精神科病院に 18歳から統合失調症で入院していた。
私が担当になったのはFさんが 22歳の春だった。
入院中のFさんは年配者と過ごすことが多かったため、ロールモデルにできる人がおらず自分の将来像を描けないでいた。
そのため、同世代である私は会うたびに話しかけ、Fさんの将来について語ってもらった。
このことに刺激を受けたFさんは、次第に自分自身の存在を認め、退院を考えるようになった。(問題 33)
Fさんが退院したのは 28歳の時だった。
Fさんは受診時には必ず相談室に顔を見せ、これからの夢を語っていった。
私はFさんとの関わりを通し、信頼関係の構築を実感できるようになった。
この頃Fさんは、経済的自立をするために働きたいと話していた。
私は夢の実現への第一歩として、障害者就業・生活支援センターを紹介し、同行訪問することにした。
面接の際Fさんは、「仕事がしたい」と伝えることはできたが、具体的な業種などの説明ができなかった。
Fさんは希望する業種の説明ができず落ち込んでいたが、普段は説明できていることや、夢や希望を持ち頑張れていることを伝えた。
そして、働きたいという意欲を持っていることはFさんの強みであり、それが自己実現につながることをFさんに説明した。(問題 34)
Fさんとの出会いから 10年が過ぎ、私は病院から地域活動支援センターに異動し、Fさんと会う機会も減っていた。
ある日のこと、Fさんから手紙が届いた。
そこには、仕事も生活も順調であること。
また、「結婚を前提に付き合っている人がいるが、もし子どもができたらどうすればいいか」と悩みが記されていた。
その内容は、結婚や子どもができるかもしれないという将来への希望と、病気を抱えながら育てることへの不安、服薬による胎児への影響を心配しているものであると理解できた。(問題 35)

第23回 問題33 

次のうち、この時点で「私」がFさんとの関わりの際に支援目標として意識したこととして、適切なものを 1 つ選びなさい。
1 セルフエスティームの向上
2 服薬を自己管理する能力の向上
3 ストレスに対処する技術の向上
4 社会生活技能の向上
5 権利を主張する能力の向上

選択肢1が正解です。セルフ・エスティームは「ありのままの自分自身を認め、愛する気持ち」のことです。

第23回 問題34 

次のうち、この時期のFさんと「私」の関係について、適切なものを1つ選びなさい。
1 アドボカシー
2 ヘルパー・セラピー原則
3 パターナリズム
4 パートナーシップ
5 コンフリクト

選択肢4が正解です。選択肢3のパターナリズムは、強い立場にある者が弱い立場の者の意志に反して弱い立場の者の利益になるという理由から、その行動に介入したり干渉したりすることです。「パターン」とは何の関係もないので注意してください。

第23回 問題35 

次のうち、この時点のFさんの状況として、適切なものを1つ選びなさい。
1 スティグマ
2 フラストレーション
3 スケープゴート
4 アパシー
5 アンビバレンス

選択肢5が正解です。
「結婚や子どもができるかもしれないという将来への希望」と「病気を抱えながら育てることへの不安」という相反する感情が同居しています。

次の事例を読んで、問題33 から問題35までについて答えなさい。
〔事 例〕
Gさん(26歳、男性)は、大学生の時には相手の話した冗談を言葉どおりに受け取ってしまいトラブルに巻き込まれることもあったが、趣味の合う仲間もいて楽しく過ごすことができていた。
しかし、就職してからは、元々あった音に対する敏感さに加え仕事の内容ごとに手順が異なり、戸惑うことが多くあった。
異なる指示を受け混乱していたGさんはささいなミスを続けてしまい、上司からきつい注意を受けたことがきっかけで、休みがちとなった。
Gさんには相談相手もおらず、1年もしないうちに自主退職してしまった。
その後の求職活動では、書類選考や筆記試験では問題はないものの、面接になるとうまく話すことができず不採用が続いた。
そのうちに、「もう何をやってもだめなんだ」と仕事探しをやめ、自宅で家族との接触も避け、自室に籠るようになっていった。
このような本人の様子を心配した両親は、近所のXメンタルクリニックで相談していたが、ある日、両親と一緒にGさんが初めて受診した。
そこで、担当となったH精神保健福祉士が、「今日はよく来てくれましたね」と本人を迎え、初回面接を行った。
(問題 33)
H精神保健福祉士は、数回の面接で、「周りがうるさいと仕事に集中できない」「パソコンでの作業は長時間集中できる」「急な予定変更には対応が難しい」「就職はすぐにしたいが、今はまだ自信がない」と話すGさんの状況から、地域若者サポートステーションの利用を勧めた。(問題 34)
その後、地域若者サポートステーションの利用を始めたGさんは、3か月たったある日の面接で、職場体験プログラムで会社訪問に行った時の様子を語りだした。「指示が具体的で手順が明確だ」「イヤホンを着けたままできるパソコン作業は、手際が良いとスタッフから褒められた」と満足気に話し、「自分にも仕事がやっていけそうだ」と嬉しそうに続けた。(問題 35)

第22回 問題33 

次の記述のうち、この時点でH精神保健福祉士がGさんに掛ける言葉として、適切なものを1つ選びなさい。
1 「引き籠るようになったきっかけは何ですか」
2 「利用したいと思うサービスを教えてください」
3 「両親とよく話をしますか」
4 「これまで受診しなかったのはどうしてですか」
5 「今、家でどんな生活をしていますか」

選択肢5が正解です。

第22回 問題34 

次のうち、この時点でH精神保健福祉士がGさんに、地域若者サポートステーションの利用を勧めた理由として、適切なものを1つ選びなさい。
1 日常生活リズムを確立するため
2 協調性などの対人関係能力を向上させるため
3 職業適性を見極めるため
4 家族関係を改善するため
5 障害受容を深めるため

選択肢3が正解です。
厚生労働省HPによると「地域若者サポートステーション」は以下のように書かれています。
地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)では、働くことに悩みを抱えている15歳~49歳までの方に対し、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への就労体験などにより、就労に向けた支援を行っています。サポステは、厚生労働省が委託した全国の若者支援の実績やノウハウがあるNPO法人、株式会社などが実施しています。身近に相談できる機関として、全国の方が利用しやすいよう全ての都道府県に必ず設置しています。

第22回 問題35 

次のうち、この時点でのGさんの状態に関する用語として、適切なものを1つ選びなさい。
1 セルフコントロール
2 セルフエフィカシー
3 セルフスーパービジョン
4 セルフケア
5 セルフアドボカシー

選択肢2が正解です。

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