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【アルコール依存症】アルコール健康障害対策基本法があるよ

アルコール健康障害対策基本法 【新カリ】精神障害リハビリテーション論
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アルコール健康障害対策基本法の概要

目的

アルコール健康障害対策基本法 第1条には以下のように目的が規定されています。

この法律は、酒類が国民の生活に豊かさと潤いを与えるものであるとともに、酒類に関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透している一方で、不適切な飲酒はアルコール健康障害の原因となり、アルコール健康障害は、本人の健康の問題であるのみならず、その家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性が高いことに鑑み、アルコール健康障害対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、アルコール健康障害対策の基本となる事項を定めること等により、アルコール健康障害対策を総合的かつ計画的に推進して、アルコール健康障害の発生、進行及び再発の防止を図り、あわせてアルコール健康障害を有する者等に対する支援の充実を図り、もって国民の健康を保護するとともに、安心して暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。

アルコール健康障害対策推進計画

政府がアルコール健康障害対策推進基本計画を策定し、それに基づいて都道府県がアルコール健康障害対策推進計画を策定するよう努力義務が課されています。

<アルコール健康障害対策推進(基本)計画>
政府:義務
都道府県:努力義務

自助グループ(セルフヘルプグループ)

アルコホーリクス・アノニマス(AA)

アルコホーリクス・アノニマス(AA)は、1935年にアメリカ合衆国から世界に広がったアルコール依存症患者たちの自助グループで、直訳すると「匿名のアルコール依存症者たち」です。

このグループでは以下の12ステップで取り組みを行います。

①アルコールに対して無力であることを自覚する
②偉大なパワーが正気に戻してくれると考える
③自分たちの意思と生活について、自分で理解している神の行いに委ねる
④自分自身のモラルを深掘りし、その一覧を作る
⑤神に対し、自分自身に対し、他の人々に対し、自分自身の欠点の正確な気質を受け入れる
⑥これらの気質的な欠点を、すべて神に取り除いてもらう
⑦自分の欠点を取り除いてくださいと、謙虚に神に求め続ける
⑧私が迷惑をかけた人々のリストを作り、彼ら全員に償いをする
⑨その人々に対し、彼らを傷つけない限り、機会があった際に可能な限り、直接的な償いを行う
⑩自分自身の気質について、その一覧を継続的に把握し続け、過ちがあれば認める
⑪祈りと瞑想を通して神との意識的接触を深め、私たちへの神の意志と、それを実現しようとする神の力を知ろうとし、これらだけを祈りにより求める
⑫これらのステップの結果、私たちはスピリチュアルに目覚め、このメッセージをアルコホーリックに伝え、さらにこの原理を私たちのあらゆる場面で実践する

断酒会

断酒会は、1958年に誕生したお酒に悩む人達による本人たちの自助グループです。本人だけでなく、家族も参加することができます。

アラノン(Al-Anon)

アラノン(Al-Anon)は、アルコール依存症患者の家族や友人による自助グループです。

カリスマくん
カリスマくん

AAはアルコール依存症患者本人の自助グループ、アラノンは患者の家族や友人たちの自助グループだね。アノニマスは匿名という意味だよ。

アルコール依存症の検査法&支援法

CAGE(ケージ)

CAGEは、アルコール依存症の可能性をチェックするテストです。

簡単な4つの質問から成り、回答は「はい」「いいえ」の二者択一です。

AUDIT(オーディット)

AUDITはWHOの6カ国の共同研究でできたテストです。

10項目の質問から成り、現在の問題飲酒だけでなく将来アルコール問題を引き起こす危険因子についても分かるようになっています。

ブリーフ・インターベンション

ブリーフは「簡潔な、短時間の」、インターベンションは「介入」で、生活習慣の行動変容を目指す短時間の行動カウンセリングです。

ブリーフ・インターベンションは、特に多量飲酒者の飲酒量を減らすことを支援する方法の一つです。

過去問

第17回 問題18

アルコール健康障害対策基本法に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 定義では、妊婦の飲酒等、不適切な飲酒の影響による心身の健康障害も規定している。
2 酒類の定義及び種類を規定している。
3 アルコール健康障害に係る専門病床の整備目標数を規定している。
4 飲酒に起因する危険運転致死傷罪の刑罰を規定している。
5 政府に対し、アルコール健康障害対策推進基本計画の策定義務を規定している。

1 定義では、妊婦の飲酒等、不適切な飲酒の影響による心身の健康障害も規定している。
正しいです。第二条に規定されています。

2 酒類の定義及び種類を規定している。
間違いです。このような内容は「酒税法」に規定されています。

3 アルコール健康障害に係る専門病床の整備目標数を規定している。
間違いです。このような内容は厚生労働省の「医療計画」に規定されています。

4 飲酒に起因する危険運転致死傷罪の刑罰を規定している。
間違いです。このような内容は「刑法」に規定されています。

5 政府に対し、アルコール健康障害対策推進基本計画の策定義務を規定している。
正しいです。都道府県は努力義務になっています。

第23回 問題16 

アルコール健康障害対策基本法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 酒に酔っている者の行為を規制し、又は救護を要する酩酊者を保護する等の措置を講ずることによって、過度の飲酒の害悪を防止することを目的としている。
2 重度アルコール依存症入院医療管理加算の施設基準を定めている。
3 アルコール健康障害に関連して生じる飲酒運転、暴力、虐待、自殺等の問題をアルコール関連問題としている。
4 都道府県及び市町村に対し、アルコール健康障害対策推進基本計画の策定義務を規定している。
5 アルコールの輸入、輸出、製造、譲渡に関する規定がある。

選択肢3が正解です。
選択肢4のアルコール健康障害対策推進基本計画の策定義務があるのは政府です。

第23回 問題66 

アルコホーリクス・アノニマス(AA)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 アルコール依存症者の家族を対象としたグループである。
2 アルコール依存症者の就労支援を目的としたプログラムである。
3 組織の運営は専門職の関与を前提とする。
4 12 のステップを採用している。
5 実名での参加を原則とする。

1 アルコール依存症者の家族を対象としたグループである。
間違いです。当事者対象の自助グループです。

2 アルコール依存症者の就労支援を目的としたプログラムである。
間違いです。就労支援が目的ではありません。

3 組織の運営は専門職の関与を前提とする。
間違いです。自助グループなので専門職の関与を前提としません。

4 12 のステップを採用している。
これが正解です。

5 実名での参加を原則とする。
間違いです。アノニマスは「匿名の」という意味です。

第24回 問題10

アルコホーリクス・アノニマス(AA)に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 自助グループである。
2 自立支援医療(精神通院医療)の対象である。
3 心理専門職によるカウンセリングが目的である。
4 メンバーの無名性を基礎におく。
5 参加するためには医師の診断書が必要である。

選択肢1と4が正解です。

第25回 問題59

翌週、妻から面談の希望があり、F精神保健福祉士が対応した。「私も仕事をしているのでお金のことは心配ない。でも、また夫が酒浸りになるんじゃないかと一人で考えていると胸が苦しくなってくる。このことは、誰にでも話せることしゃないし、どうしたらいいでしょうか」と相談された。そこで、F精神保健福祉士は、「私たちも相談に乗りますし、地域にも相談できる所がありますよ」と提案した。次のうち、この時にF精神保健福祉士が妻に提案した社会資源として、正しいものを2つ選びなさい。
1 保健所
2 キャマノン(GAM-ANON)
3 アラノン(AL-Anon)
4 婦人相談所
5 地域包括支援センター

選択肢1と3が正解です。

第26回 問題2

アルコール依存症の治療に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1  向精神薬の使用は禁忌である。
2  本人の抱える問題は家族が代わって対処することが望ましい。
3  断酒会は、匿名で参加する自助グループである。
4  抗酒剤は、服用後に飲酒すると頭痛や嘔吐などを起こすことで飲酒を抑止する。
5  合併症のウェルニッケ脳症は断酒をすれば改善する。

1  向精神薬の使用は禁忌である。
誤りです。抗不安薬を用いることもあります。

2  本人の抱える問題は家族が代わって対処することが望ましい。
そんなことはありません。それがかえって本人の飲酒を助長することもあります。

3  断酒会は、匿名で参加する自助グループである。
誤りです。断酒会は匿名ではなく実名で参加することが多いです。同じ自助グループでもアルコホリークス・アノニマスは匿名で参加します

4  抗酒剤は、服用後に飲酒すると頭痛や嘔吐などを起こすことで飲酒を抑止する。
正しいです。

5  合併症のウェルニッケ脳症は断酒をすれば改善する。
そのようなことはありません。

第26回 問題16

N市では、保健指導としてアルコール関連問題のスクリーニング調査と簡易的な面接指導を行う計画を立てている。
次のうち、上記計画で使用するスクリーニングテストとして、適切なものを1つ選びなさい。
1  AUDIT
2  GHQ
3  SDS
4  CES-D
5  BDI

1  AUDIT
これが正解、アルコール問題のスクリーニングテストです。

2  GHQ
GHQは、精神健康調査票です。

3  SDS
SDSは、抑うつ状態の検査です。

4  CES-D
CES-Dは、抑うつ状態の評価尺度です。

5  BDI
BDIは、ベック抑うつ質問票です。

次の記事

次は、薬物依存症について。

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