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【自殺対策基本法】年間何万人も自殺する国に生きる

自殺対策基本法 【新カリ】現代の精神保健の課題と支援
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自殺対策基本法

自殺総合対策大綱

政府は自殺総合対策大綱を定める義務があります。この中での重点施策として自殺対策に関わる人材としてゲートキーパーの養成が示されています。ゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応を図ることができる人のことで、言わば「命の門番」とも位置付けられる人のことです。

第十二条 政府は、政府が推進すべき自殺対策の指針として、基本的かつ総合的な
自殺対策の大綱(自殺総合対策大綱)を定めなければならない。

自殺対策計画

自殺対策計画は、都道府県と市町村に策定義務があります。

第十三条 都道府県は、自殺総合対策大綱及び地域の実情を勘案して、当該都道府県の区域内における自殺対策についての計画(都道府県自殺対策計画)を定めるものとする。
2 市町村は、自殺総合対策大綱及び都道府県自殺対策計画並びに地域の実情を勘案して、当該市町村の区域内における自殺対策についての計画(市町村自殺対策計画)を定めるものとする。

令和6年版 自殺対策白書

日本では毎年2万人以上が自殺、その原因は「健康問題」が圧倒的に多くなっています。

日本の自殺者数

世界的にも日本の自殺率は高く、特に女性の自殺率は、自殺大国と呼ばれる韓国に次いで第二位となっています。

カリスマくん
カリスマくん

自殺の統計には不審死の半分を自殺に含めないといけないんだけど、日本では10万人もいる不審死を自殺に含めてないんだ。これを含めると日本の自殺率は世界1位になってしまうんだ。

自殺死亡率の国際比較

過労自殺

過労死等防止対策推進法

過労死とは

第二条には過労死等についての定義が以下の通り規定されています。業務過多による身体的な疾患による死亡だけでなく、業務による強いストレスで精神疾患を発症し自殺した場合も過労死等に該当します。

過労死等」とは、業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。

因みに労働基準法では、時間外労働の上限は1か月で45時間、1年で360時間と規定されています。

カリスマくん
カリスマくん

僕が勤めていた会社では残業が多くて、年間360時間を超えないように自分で調整して働いていたよ。

過労死等の防止のための対策に関する大綱

第七条には、国が大綱を定める義務が規定されています。

政府は、過労死等の防止のための対策を効果的に推進するため、過労死等の防止のための対策に関する大綱を定めなければならない。

自殺予防

自殺予防は、プリベンション(事前対応)、インターベンション(危機介入)、ポストベンション(事後対応)の 3段階に分類されます。

プリベンション

プリベンションとは、現時点で危険が迫っているわけではありませんが、その原因を取り除いたり、教育をしたりすることによって、自殺が起きるのを予防することです。

インターベンション

インターベンションとは、今まさに起きつつある自殺の危険に介入し、自殺を防ぐことです。予防に全力を挙げることは当然ですが、自殺を100%防ぐことは不可能です。そこで、ポストベンションがあります。

ポストベンション

自殺のポストベンションは、不幸にして自殺が生じてしまった場合に、遺された人々に及ぼす心理的影響を可能な限り少なくするための対策です。

自殺のポストベンションには以下の原則があります。

・関係者の反応が把握できる人数で集まる
・自殺について事実を中立的な立場で伝える
率直な感情を表現する機会を与える 
・知人の自殺を経験した時に起こり得る反応や症状を説明する 
・個別に専門家による相談を希望する人には、その機会を与える 
・自殺にとくに影響を受ける可能性のある人に対して積極的に働きかける 
(引用:安全衛生情報センター
上の赤線部分は「心理的デブリーフィング」です。
サイコロジカルファーストエイドを用いる被災直後というタイミングでPTSDへの対応として心理的デブリーフィングはダメですが、自殺のポストベンションでは心理的デブリーフィングが用いられます。
 

詳細は以下の記事で。

【自殺対策】ポストベンション&ゲートキーパー
日本では何万人もの人が、毎年自殺しています。その数に驚くと同時に、その一人ひとりに人生があったことを改めて思います。こんな異常な状態の日本が、未来に希望の持てる国になってほしいと願います。近年の動向下のグラフにあるように、1998年に年間自

日本いのちの電話連盟

一般社団法人 日本いのちの電話連盟は、以下のフリーダイヤルで電話相談を受け付けています。

辛くなったら電話を。

ウェルテル効果

ウェルテル効果とは、著名人の自殺に関する報道の後で自殺者数が増加する現象です。

1774年、ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』発刊後に主人公と同じ方法によって自殺で亡くなる若者が相次いだことにちなみ、1974年に米国の社会学者ディヴィッド・フィリップス(Phillips,D)が実証研究に基づいて名付けました。

過去問

第24回 問題12

次のうち、著名人の自殺に関する報道の後で自殺者数が増加する現象を説明する用語として、正しいものを1つ選びなさい。
1 ハロー効果
2 ウェルテル効果
3 カクテルパーティ効果
4 キャリーオーバー効果
5 ピグマリオン効果

1 ハロー効果
ハロー効果は、対象を評価する際にその目立つ特徴に引きずられて全体を誤って評価してしまう心理現象です。

2 ウェルテル効果
これが正解です。

3 カクテルパーティ効果
カクテルパーティー効果とは、カクテルパーティーのような騒がしい場所であっても自分の名前や興味関心がある話題は自然と耳に入ってくるという心理効果です。 音声の選択的聴取や選択的注意とも呼ばれています。

4 キャリーオーバー効果
キャリーオーバー効果は、前の質問に答えることによって、後の質問の回答に影響が出ることです。

5 ピグマリオン効果
ピグマリオン効果は、期待を寄せられることでその期待に応えた行動をとる心理効果です。

第21回 問題16 

次のうち、2016年(平成28年)の自殺対策基本法改正によって新たに加えられた内容として、正しいものを2つ選びなさい。
1 精神科医の診療を受けやすい環境の整備
2 自殺未遂者の再企図防止のための施策
3 心理的負担を受けた場合の対処方法を身に付けるための児童生徒に対する教育
4 自殺者又は自殺未遂者の親族等への支援に必要な施策
5 都道府県及び市町村は、自殺対策計画を定めること

選択肢3と5が正解です。

第23回 問題17

次のうち、自殺対策におけるポストベンションの活動として、適切なものを1つ選びなさい。
1 自殺で亡くなった中学生の同級生に対して実施される心のケア
2 自殺対策強化月間におけるインターネットを活用した支援窓口の広報
3 救命救急センターに搬送された自殺未遂者に対するフォローアップ支援
4 地域住民に対するうつ病予防のための講演会
5 希死念慮を有する者を対象とした電話による相談

1 自殺で亡くなった中学生の同級生に対して実施される心のケア
これが正解、ポストベンションです。

2 自殺対策強化月間におけるインターネットを活用した支援窓口の広報
これは、プリベンションです。

3 救命救急センターに搬送された自殺未遂者に対するフォローアップ支援
これは、インターベンションです。

4 地域住民に対するうつ病予防のための講演会
これは、プリベンションです。

5 希死念慮を有する者を対象とした電話による相談
これは、プリベンションです。

第23回 問題37 

人口40万人のN市では、市の自殺対策推進計画に基づいて、市保健所が中心となり自殺対策を推進している。
中学生の自殺報道が続いたため、市の中学校関係者や住民より、「自殺の連鎖が起こらないよう、取組を強化してほしい」と、市保健所へ要望が相次いだ。
自殺対策の担当であるG精神保健福祉相談員は、市自殺対策推進会議で、児童生徒など若年層への予防的取組の強化を提案することとした。
次の記述のうち、この時点でのG精神保健福祉相談員の提案内容として、適切なものを2つ選びなさい。
1 教師を対象とした、ゲートキーパーの養成研修を開催する。
2 自殺の相談は、保健所での来所面接で一括して対応する。
3 自殺の危険性が高い人の早期発見は、精神保健福祉士の固有の役割であることを広報する。
4 メディアリテラシー教育とともに、情報モラル教育及び違法・有害情報対策に協力する。
5 自殺の連鎖を防ぐため、自殺の場所や手段などの詳細を繰り返し伝える。

選択肢1と4が正解です。

第27回 問題12

「平成26年版自殺対策白書」 (内閣府) による日本の自殺に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 自殺死亡率は、男性より女性が高い。
2 自殺死亡率は、アメリカよりも低い。
3 自殺者の半数が失業者である。
4 自殺者の原因・動機特定者のうち、およそ3分の2が原因・動機として健康問題を挙げている。
5 過去に自殺未遂歴がある自殺者数の割合は、女性より男性が高い。

1 自殺死亡率は、男性より女性が高い。
誤りです。男性の方が二倍以上多いです。

2 自殺死亡率は、アメリカよりも低い。
誤りです。日本の方が高いです。

3 自殺者の半数が失業者である。
誤りです。

4 自殺者の原因・動機特定者のうち、およそ3分の2が原因・動機として健康問題を挙げている。
正しいです。

5 過去に自殺未遂歴がある自殺者数の割合は、女性より男性が高い。
誤りです。自殺未遂歴があるのは女性の方が多いです。

第25回 問題19

日本いのちの電話連盟に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
1 フリーダイヤル相談を行う。
2 自殺対策基本法の成立を受けて創設された。
3 一般市民への自殺予防に関する普及啓発事業を行う。
4 ひきこもり専門のデイケア事業を行う。
5 訪問介護事業を行う。

選択肢1と3が正解です。

第25回 問題20

次の記述のうち、「WHOの手引き」で推奨されている、自殺が生じた際の責任ある報道の在り方として、正しいものを1つ選びなさい。
1  報道記事を目立つところに配置する。
2  発生した場所の詳細を伝える。
3  自殺がよくある普通のこととみなす言葉を使う。
4  用いられた手段を明確に表現する。
5  どこに支援を求めるかについて正しい情報を提供する。
(注)「WHOの手引き」とは、「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 2017年最新版」のことである。

選択肢5が正解です。

第26回 問題14

勤労者の過労自殺に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1  過労死等防止対策推進法では、政府に対し、過労死等の防止のための対策に関する大綱を定めることとしている。
2  2018年(平成30年)の労働基準法の改正において、時間外労働の上限が月90時間・年720時間に規制された。
3  従業員支援プログラム(EAP)は、職場の管理監督者が行う過労自殺防止を含めた健康相談プログラムである。
4  自殺未遂者に対する産業保健スタッフの支援は、自殺対策のポストベンションに該当する。
5  労働安全衛生法では、業務による心理的負荷による精神障害を原因とする自殺を過労死等の一つとして規定している。

1  過労死等防止対策推進法では、政府に対し、過労死等の防止のための対策に関する大綱を定めることとしている。
正しいです。第7条に規定されています。

2  2018年(平成30年)の労働基準法の改正において、時間外労働の上限が月90時間・年720時間に規制された。
誤りです。労働基準法では、時間外労働の上限は1か月で45時間、1年で360時間と規定されています。

3  従業員支援プログラム(EAP)は、職場の管理監督者が行う過労自殺防止を含めた健康相談プログラムである。
誤りです。従業員支援プログラム(EAP:Employee Assistance Program)は職場の管理監督者が行うものではなく、企業内にEAPスタッフが常駐して従業員の相談を受ける形と、外部のEAP会社が業務委託を受けて実施する形があります。メンタルヘルスの相談や職場復帰支援、従業員教育や環境整備のコンサルテーションなどが実施されます。

4  自殺未遂者に対する産業保健スタッフの支援は、自殺対策のポストベンションに該当する。
誤りです。これは自殺の二次予防「インターベンション」に該当します。

5  労働安全衛生法では、業務による心理的負荷による精神障害を原因とする自殺を過労死等の一つとして規定している。
誤りです。これは労働安全衛生法ではなく、過労死等防止対策推進法に規定されています。

第27回 問題17

A県精神保健福祉センターのB精神保健福祉士のところに、Cさんが相談に訪れた。兄を自死で亡くしたというCさんは、自分と同じように自死で家族を亡くした経験がある人々が集まる「分かち合いの会」を主催しており、行政機関として何らかの協力をしてほしいというものだった。B精神保健福祉士は上司と相談した結果、センターの会議室の提供と広報への協力をするとともに、「分かち合いの会」に業務として定期的にオブザーバーで参加することとなった。
次のうち、この自殺対策活動を表す言葉として、適切なものを1つ選びなさい。
1 イノベーション
2 インターベンション
3 ハームリダクション
4 プリベンション
5 ポストペンション

選択肢5が正解です。自殺のポストベンションは自殺が生じてしまった場合に、遺された人々に及ぼす心理的影響を可能な限り少なくするための対策です。

第26回 問題65

次のうち、自殺総合対策大綱に示された取組により養成される、見守り等の役割を担う人材として、正しいものを1つ選びなさい。
1  ゲートキーパー
2  コミュニティソーシャルワーカー
3  ペアレントメンター
4  ピアスタッフ
5  カウンセラー

選択肢1が正解です。

次の記事

次は、いじめ防止対策推進法について。

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