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【精神保健福祉士法】精神保健福祉法とは違うよ

精神保健福祉士法 【新カリ】精神保健福祉制度論
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精神保健福祉士が規定されているのは精神保健福祉法ではありません。精神保健福祉士法です。

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精神保健福祉士の義務等

精神保健福祉士法に規定される精神保健福祉士の義務等を見ていきましょう。

誠実義務

第三十八条の二 精神保健福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。

信用失墜行為の禁止

第三十九条 精神保健福祉士は、精神保健福祉士の信用を傷つけるような行為をしてはならない。

信用失墜行為の禁止に違反したときは、厚生労働大臣が登録を取り消し、又は期間を定めて精神保健福祉士の名称の使用の停止することができます。

秘密保持義務

第四十条 精神保健福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。精神保健福祉士でなくなった後においても、同様とする。

秘密保持義務に違反したときは、罰則(一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金)があり、厚生労働大臣が登録を取り消し、又は期間を定めて精神保健福祉士の名称の使用の停止することができます。

連携等

第四十一条 精神保健福祉士は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療サービス、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第五条第一項に規定する障害福祉サービス、地域相談支援に関するサービスその他のサービスが密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらのサービスを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。
2 精神保健福祉士は、その業務を行うに当たって精神障害者に主治の医師があるときは、その指導を受けなければならない。

主治医の指導を受ける義務に違反したときは、厚生労働大臣が登録を取り消し、又は期間を定めて精神保健福祉士の名称の使用の停止することができます。

カリスマくん
カリスマくん

基本的に医療系資格は主治医の指示を受ける義務があるけど、精神保健福祉士は主治医の「指導」という指示より弱い表現になっているね。社会福祉士は主治医の指示や指導を受ける義務はないよ。

資質向上の責務

第四十一条の二 精神保健福祉士は、精神保健及び精神障害者の福祉を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、相談援助に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。

カリスマくん
カリスマくん

これだけ努力義務って感じかな。

名称の使用制限

第四十二条 精神保健福祉士でない者は、精神保健福祉士という名称を使用してはならない。

名称の使用制限に違反した場合は、罰則(三十万円以下の罰金)があります。

まとめ

以下の義務等については、精神保健福祉士のみでなく社会福祉士と介護福祉士にも共通です。ただし、社会福祉士と介護福祉士には「主治医の指導を受ける義務」はありません。

精神保健福祉士法義務等違反による登録取消又は名称の使用停止の可能性違反による罰則
第三十八条の二誠実義務
第三十九条信用失墜行為の禁止
第四十条秘密保持義務一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金
第四十一条連携
第四十一条の二主治医の指導を受ける
第四十一条の二資質向上の責務
第四十二条名称の使用制限三十万円以下の罰金

ソーシャルワーカーの国家資格化

ソーシャルワーカーの国家資格化

1987年「社会福祉士及び介護福祉士法」制定

当時は、増大する介護需要に対応するために、老人、身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められていました。

社会福祉士は以下のように定義されています。

第二条 この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。

1997年「精神保健福祉士法」制定

当時は、精神障害者の長期入院やいわゆる社会的入院の問題等が指摘されており、精神障害者の社会復帰を促進することが緊急の課題となっていました。このため、精神障害者が社会復帰を果たす上で障害となっている諸問題の解決を図る必要があり、医師等の医療従事者が行う診療行為に加えて、退院のための環境整備などについての様々な支援を行う人材の養成・確保が求められています。こうしたことから、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神障害者の社会復帰に関する相談援助を行う者として、精神保健福祉士の資格制度が創設されました。

カリスマくん
カリスマくん

社会的入院の問題は今でもなくなってないねー

精神保健福祉士は以下のように定義されています。

第二条 この法律において「精神保健福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、若しくは精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談又は精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする者をいう。

1998年の施行時:社会復帰に関する相談
2010年の改正時:「地域相談支援の利用に関する相談」が追加
2022年の改正時:「精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談」が追加

2007年「社会福祉士及び介護福祉士法」改正

1987年の制定時には義務等として「信用失墜行為の禁止」「連携」「秘密保持義務」「名称の使用制限」が規定されていました。

2007年に大幅改正が行われ、この改正時に「誠実義務」と「資質向上の責務」が追加され、「連携」については「医療関係者等との連携」から「福祉サービス関係者等との連携」と拡大されました。

その後、2012年の改正では、喀痰吸引や経管栄養といった一部の医療的ケアを介護職員も行えるようになりました。

2010年「精神保健福祉士法」改正

「社会福祉士及び介護福祉士法」に遅れること3年、この改正時に「誠実義務」と「資質向上の責務」が追加されています。連携等については「医師その他の医療関係者との連携」から「サービスを提供する者その他の関係者等との連携」と変更されています。

過去問

社会福祉士 第34回 問題91

社会福祉士及び介護福祉士法における社会福祉士と、精神保健福祉士法における精神保健福祉士に関する次の記述のうち、これらの法律に明記されている共通する責務として、正しいものを1つ選びなさい。
1 集団的責任の保持
2 権利擁護の促進
3 多様性の尊重
4 資質向上
5 倫理綱領の遵守

選択肢4が正解です。選択肢1と3はソーシャルワーク専門職のグローバル定義に規定される「ソーシャルワークの中核となる原理」です。

第25回 問題21

次のうち、2010年(平成22年)の精神保健福祉士法改正で精神保健福祉士の義務等に、新たに設けられたものとして、正しいものを2つ選びなさい。
1  信用失墜行為の禁止
2  資質向上の責務
3  名称の使用制限
4  秘密保持義務
5  誠実義務

選択肢2と5が正解です。

第25回 問題22

次の記述のうち、社会福祉士及び介護福祉士法制定の背景として、適切なものを1つ選びなさい。
1 社会福祉基礎構造改革の議論が行われ、個人の多様な需要に対し、地域での総合的な支援のための人材が求められた。
2 障害福祉サービスにおいて、ケアマネジメントを用いた生活支援を展開するための人材が求められた。
3 増大する介護需要に対応するために、老人、身体障害者等に関する福祉に対する相談 や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められた。
4 福祉三法が整備される中、各都道府県等に社会福祉行政を担当する人材を配置することが求められた。
5 高齢者が住み慣れた地域で目立した生活を営めるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進する人材が求められた。

選択肢3が正解です。

第27回 問題23

次の記述のうち、精神保健福祉士法成立の社会的背景として、適切なものを1つ選びなさい。
1 年間自殺者が3万人を超え続け、国民のメンタルヘルスが社会問題化した。
2 頻発する自然災害に対し、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の必要性が高まった。
3 諸外国と比べて精神科の入院医療を受けている者の割合が高く、入院期間も長期にわたっていた。
4「障害者権利条約」を批准するため、国内法の整備が急がれた。
5「精神保健医療福祉の改革ビジョン」において、「入院医療中心から地域生活中心へ」が示された。
(注)「障害者権利条約」とは、「障害者の権利に関する条約」のことである。

選択肢3が正解です。

第27回 問題24

次の記述のうち、精神保健福祉士法に規定される精神保健福祉士の義務として、 正しいものを2つ選びなさい。
1 保健医療サービス、障害福祉サービス等の提供者と連携を保つ。
2 担当する利用者の立場に立って誠実に業務を行う。
3 資質向上のため、厚生労働省令で定める研修を受講する。
4 職を辞した後の秘密保持義務は、10年で解除される。
5 業務を行うに当たっては、主治医の指示を受ける。

1 保健医療サービス、障害福祉サービス等の提供者と連携を保つ。
正しいです。

2 担当する利用者の立場に立って誠実に業務を行う。
正しいです。誠実義務です。

3 資質向上のため、厚生労働省令で定める研修を受講する。
このような規定はありません。

4 職を辞した後の秘密保持義務は、10年で解除される。
誤りです。秘密保持義務は退職した後もずっと続きます。

5 業務を行うに当たっては、主治医の指示を受ける。
誤りです。主治医の指示ではなく「指導」です。

第26回 問題21

次の記述のうち、社会福祉士及び介護福祉士法における社会福祉士の業について、正しいものを1つ選びなさい。
1  身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行う。
2  福祉に関する事務所において、援護又は育成の措置に関する事務を行う。
3  心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う。
4  専門的知識及び技術をもって、福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービス関係者等との連絡及び調整その他の援助を行う。
5  社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行う。

1  身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行う。
誤りです。これは社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の定義です。

2  福祉に関する事務所において、援護又は育成の措置に関する事務を行う。
誤りです。これは社会福祉法における福祉事務所で現業を行う所員の役割です。

3  心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う。
誤りです。これは公認心理師法における公認心理師の役割です。

4  専門的知識及び技術をもって、福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービス関係者等との連絡及び調整その他の援助を行う。
これが正解、社会福祉士及び介護福祉士法における社会福祉士の定義です。

5  社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行う。
誤りです。これは精神保健福祉士法における精神保健福祉士の定義です。

第26回 問題37

次のうち、2022年(令和4年)の精神保健福祉士法改正により、新たに規定された精神保健福祉士の業として、正しいものを1つ選びなさい。
1  社会復帰に関する相談
2  地域相談支援の利用に関する相談
3  精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談
4  医師その他の保健医療サービスを提供する者との連絡及び調整
5  応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るための作業活動

1  社会復帰に関する相談
これは1998年の施行時から規定されています。

2  地域相談支援の利用に関する相談
これは2010年の改正で加えられています。

3  精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談
正しいです。2022年の改正で加えられています。

4  医師その他の保健医療サービスを提供する者との連絡及び調整
これは「社会福祉士及び介護福祉士法」に規定される社会福祉士の定義の一部です。

5  応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るための作業活動
これは「理学療法士及び作業療法士法」に規定される作業療法の内容です。

次の記事

次は、医療観察制度について。

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