強迫性障害とは
厚生労働省のページには以下のように書かれています。
強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れず、わかっていながら何度も同じ確認などを繰り返すなど、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思い過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないなどがあります。
症状
強迫性障害には強迫観念と強迫行為(儀式行為)という症状があります。
強迫観念
強迫観念は、繰り返される特徴的な思考、衝動、またはイメージで、何か他の思考や強迫行為によって抑え込もうとします。
強迫行為(儀式行為)
強迫行為(儀式行為)は、手を洗う、順番に並べる等の繰り返しの行動、祈る、数えるなどの心の中の行為であり、その人は強迫観念に対して駆り立てられるように感じます。
検査法
強迫尺度として以下の2つが代表的です。
治療法
強迫性障害に対して効果が高いとされているのは行動療法であり、その中でも治療技法として曝露反応妨害法が有効とされています。
治療薬としては選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)があります。
SSRIは抗うつ薬ですが、強迫性障害の治療にも用いられることを覚えておきましょう。
過去問
第25回 問題6
- 次のうち、強迫性障害に最もよくみられる症状として、正しいものを1つ選びなさい。
1 対人恐怖
2 解離
3 儀式行為
4 幻嗅
5 パニック発作
選択肢3が正解です。
第26回 問題5
- Bさん(28歳、女性)は、数年前から、紙幣に誰かの血液が付着しているかもしれないという考えにとらわれて、紙幣に直接触れることができない。やむを得ず触れた後には、長時間手を洗うため、生活に支障が生じており、困って自ら精神科を受診した。 次のうち、Bさんの症状として、正しいものを1つ選びなさい。
1 血統妄想
2 被毒妄想
3 強迫観念
4 妄想知覚- 5 観念奔逸
選択肢3が正解です。強迫性障害の強迫観念です。
公認心理師 第1回(追試)問77
36歳の男性A、会社員。
3年ほど前から、外出する際に戸締りやガスの元栓を閉めたかが気になって何回も確認するようになった。そのため、最近は外出するのに非常に時間がかかる。また、車を運転しているときに人をひいたのではないかと気になって、頻繁に道路を確かめる。Aは、これらの行為が不合理なものと認識しており、行為をやめたいと思っているが、やめられない。
そのほかには思考や行動に明らかな異常はなく、就労を継続している。
Aに対する治療法として、適切なものを2つ選べ。
① 行動療法
② 自律訓練法
③ 非定型抗精神病薬
④ ベンゾジアゼピン系抗不安薬
⑤ 選択的セロトニン再取り込み阻害薬<SSRI>
選択肢①と⑤が正解です。
次の記事
次は、PTSDなどのストレス関連障害について。
コメント