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【精神科リハビリテーション】アプローチいろいろ

精神科リハビリテーション アプローチ 【新カリ】精神障害リハビリテーション論
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精神科リハビリテーションのアプローチ

IMR:Illness Management and Recovery(疾病管理とリカバリー)

IMRは、精神障害者が自らリカバリー目標を設定し、症状を自己管理し、リカバリーしていくために有用な情報や技術を獲得することを目的とした心理社会的介入プログラムです。ストレス-脆弱性モデルに基づいて自身で目標設定し、症状を自己管理するため、主体的にリカバリーについて考えることができます。

IPS:Individual Placement and Support(援助付き雇用)

IPSは、精神障害者それぞれにあった働く機会を提供し支援する方法です。IPSは、本人の「働きたい」という希望に基づいて、雇用を目標に支援します。

カリスマくん
カリスマくん

従来の就労支援は、訓練してから働くだったけど、IPSモデルでは働きながら訓練するんだ。

心理教育

心理教育では、精神障害者等に対して心理面への十分な配慮をしながら正しい知識や情報を伝え、病気や障害の結果生じる困りごとに対処する方法を修得し、知識や対処方法を使って本人が主体的な療養生活を送れるように支援します。

家族心理教育(FPE:Family Psycho- Education)

家族心理教育は、精神障害者の家族に障害についての正しい知識や心理的なサポートを提供し、精神障害者本人に対する否定的な感情や心理的な負担を軽減する支援です。

包括型地域生活支援プログラム(ACT:Assertive Community Treatment)

ACTは、重度の精神障害のある人が地域で安心して暮らしていけるように、専門職が24時間365日体制で支援するプログラムです。自宅訪問などのアウトリーチが中心になります。

ピアサポート

ピアサポートは、同じような立場や境遇の人同士による支え合いのことです。同じ課題や環境を体験する人がその体験から来る感情を共有することで、専門職による支援では得がたい安心感や自己肯定感が得られます。

カリスマくん
カリスマくん

ピアは仲間という意味だね。

ピアサポーターとは、自身も障害や病気の経験があり、その経験を活かして同じ境遇の仲間をサポートする人のことです。当事者の経験から相談援助をすることをピアカウンセリングともいいます。

ピアサポーターは、同じ経験をしているのでロールモデル(お手本となる人物)になりえます。

過去問

第24回 問題37

次の記述のうち、精神科リハビリテーションにおけるアプローチの説明として、正しいものを1つ選びなさい。
1 IMR(Illness Management and Recovery)は、支援者が症状を管理する。
2 IPS(Individual Placement and Support)は、本人の希望に基づいて、雇用を目標に支援する。
3 家族心理教育は、家族病理に焦点を当てて治療を行う。
4 包括型地域生活支援プログラム(ACT)は、グループワークを通して回復を目指す。
5 ピアサポートは、経験的知識よりも精神保健福祉の専門的知識を用いる。

1 IMR(Illness Management and Recovery)は、支援者が症状を管理する。
誤りです。IMRでは、支援者ではなく障害のある本人が病状を管理します。

2 IPS(Individual Placement and Support)は、本人の希望に基づいて、雇用を目標に支援する。
正しいです。

3 家族心理教育は、家族病理に焦点を当てて治療を行う。
誤りです。家族心理教育は、家族病理に焦点を当てるのではなく、家族が正しい知識や情報を得ることで課題への対処方法を習得するものです。

4 包括型地域生活支援プログラム(ACT)は、グループワークを通して回復を目指す。
誤りです。ACTでは、グループワークではなく自宅訪問等のアウトリーチが中心です。

5 ピアサポートは、経験的知識よりも精神保健福祉の専門的知識を用いる。
誤りです。ピアサポートは同じ境遇や経験のある仲間同士の支え合いですので、経験的知識よりも専門的知識を用いるというのはおかしいです。

第21回 問題33

次の事例を読んで、問題について答えなさい。

〔事 例〕
Eさん(27歳、男性)は菓子職人として働いていたが、度重なる残業がストレスとなり、23歳の時に不眠が生じ、また幻聴も始まったため精神科病院を受診した。統合失調症と診断され3か月の入院の後、精神科デイケアに通院して4年が経過している。
ある日、Eさんは、デイケアの仲間が働き始めたことに刺激を受け、「自分もどうしても働きたい」と担当の精神保健福祉士に相談した。そこで、公共職業安定所(ハローワーク)の精神障害者雇用トータルサポーターであるF精神保健福祉士を紹介され、面談することとなった。
「調子がいい時と悪い時がある。病気のことは内緒にして働いたこともあったが、うまくいかなかった」と話したEさんは、F精神保健福祉士から将来について聞かれ、「子どもの頃から物作りが好きだった。菓子職人になったけど、思うとおりにはならなかった。今はデザインの仕事をして人を幸せにしたい」と語った。F精神保健福祉士は、就職への強い希望と意欲がEさんの強みだと感じた。

F精神保健福祉士は、Eさんの症状は安定していないが、多職種で協力し一般就労に結び付けたいと考えた。そこでEさんの了承の下、主治医、担当の精神保健福祉士、Eさんが最近利用するようになった地域活動支援センターの職員と連絡を取り、1週間後に本人同席の上で今後の就労支援の方向性を話し合うための会議を開催した。

話合いでは、デザイン関連につながる仕事を探すこと、障害年金の受給と合わせることで短時間労働でも経済的な自立を目指せることなどが確認された。F精神保健福祉士はこれらの条件に合う企業をいくつか訪問し、Eさんのことを紹介した。すると、就職後もF精神保健福祉士を中心としたチームが職場訪問すること、困り事などの相談や調整を継続することを条件に受入れを承諾してくれる企業を見付けることができた。働き方についてもEさんと会社、さらにF精神保健福祉士が話し合い、週3日、1日4時間から働くことになった。Eさんは職場の理解の下、継続して半年間働いている。今では週4日に日数を増やすことも考えている。

次のうち、F精神保健福祉士が行った支援として、正しいものを1つ選びなさい。
1 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援
2 IPS
3 職業準備支援
4 職場適応訓練
5 従業員支援プログラム(EAP)

選択肢2が正解です。IPSモデルでは働きながら訓練を行います。

第26回 問題40

次の記述のうち、IMR(疾病管理とリカバリー)のプログラムの説明として、正しいものを1つ選びなさい。
1  物質依存症の人々のために開発された。
2  ストレス-脆弱性モデルを病気の自己管理の基礎としている。
3  家族と支援者は関与しないことが推奨されている。
4  個々のニーズに応じてオーダーメイドされた内容で構成される。
5  精神疾患の一次予防を目的としている。

1  物質依存症の人々のために開発された。
誤りです。IMRは統合失調症や双極性障害などの精神疾患のある人のために開発されたプログラムです。

2  ストレス-脆弱性モデルを病気の自己管理の基礎としている。
正しいです。

3  家族と支援者は関与しないことが推奨されている。
誤りです。支援者が当事者と協働し、家族や友人などの関係者の関わりが有益とされています。

4  個々のニーズに応じてオーダーメイドされた内容で構成される。
誤りです。オーダーメイドされたものではありません。

5  精神疾患の一次予防を目的としている。
誤りです。精神疾患のある当事者のリカバリーを目指したプログラムですので、疾患を未然に防ぐ一次予防を目的としたものではありません。

第22回 問題76 

ピアサポーターに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1 専門職の代替的機能を担う。
2 対等な立場で仲間を支える。
3 厚生労働大臣が定める研修を修了する必要がある。
4 意思疎通支援事業によって派遣される。
5 ロールモデルとして期待される。

1 専門職の代替的機能を担う。
ピアサポートは仲間同士のサポートなので専門職の代替機能は担えません。

2 対等な立場で仲間を支える。
正しいです。

3 厚生労働大臣が定める研修を修了する必要がある。
そんなことはありません。

4 意思疎通支援事業によって派遣される。
意思疎通支援事業は手話通訳等を行う者などの派遣を行う事業です。
この事業では障害者と障害のない人の意思疎通を支援するのでピアサポートではありません。

5 ロールモデルとして期待される。
正しいです。ロールモデルとは「お手本となる人物」のことです。同じ課題を持つ仲間だからこそ、ロールモデルになるのです。

第21回 問題77 

統合失調症のため精神科クリニックに通院しているBさん(23 歳、男性)は、クリニックの精神保健福祉士から、精神障害のある若者たち自身がそれぞれ費用を出し合って、地域で自主的に運営している「若者の会」を紹介された。
「若者の会」では、軽食を持ち寄ってゲームや会話を楽しむ活動を行っている。
また、そこには自分の生きづらさや将来への希望など何でも話せる雰囲気があり、当事者だからこそできる共感や支え合いがある。
Bさんは「若者の会」に興味を持った。
次のうち、「若者の会」の活動に該当するものとして、適切なものを 1 つ選びなさい。
1 アドボカシー
2 ピアサポート
3 ソーシャルグループワーク
4 ゲートキーパー
5 フォーマルサポート

選択肢2が正解です。

第25回 問題34

【事例】
Lさんの転居後約1年の間に、様々な広報活動の効果もあり、「集い」は精神障害当事者の参加が増え、病気を抱えながら生活する日々の出来事が前向きに捉え直されたり、元気つけられたり、また地域住民との間で共有される場面が多くなった。 やがて「集い」には精神科病院から、「ここで話されているようなことをへ院内の方とも話してほしい」という依頼が来るようになった 。Jさんも数回精神科病院で入院中の方と話をした。ある日JさんはK精神保健福祉士に、「入院中の方に退洗後の生活や目分の体験を話すことで目分が人の力になれるように感じた。精神科病院を訪問した仲間たちの間で、「このような活動を続けるために精神障害当事者の会を立ち上げたい」と話しているので相談に乗ってほしい」と伝えた。

次のうち、Jさんたちが始めようとしている会の活動として、適切なものを1つ選びなさい。
1 コンサルテーション
2 スーパービジョン
3 ソーシャルアクション
4 ピアサポート
5 アファーマティブアクション

選択肢4が正解です。

第26回 問題49、50、51

次の事例を読んで、問題49から問題51までについて答えなさい。
〔事  例〕
Lさん(41歳、男性)は、20代で統合失調症と診断され、服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し、今回の入院となった。なかなか病状が安定しなかったが、入院して1年が過ぎ安定してきた。病棟担当の精神保健福祉士は、Lさんから、「両親とも70代で体調が悪いので、もう負担はかけられない。一人暮らしをして自立したいが、これまで家事は母親に任せきりだったため、いざ一人暮らしを考えると不安がある」と聞いた。そこで、地域移行支援を紹介し、利用することになった。後日、相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんがLさんの元を訪れた。Aさんは、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し、自身の生活や利用しているサービスについて説明した。(問題49)
Lさんは、「両親が貯めてくれたお金があるので、しばらくは生活の心配はないと思う」「Aさんのように一人暮らしを継続し、再入院しないで、好きな鉄道を自由に見に行きたい」「自炊したいし、家事や生活費のやりくりも頑張りたいが、自信がない」「ささいなことが心配になるので、相談できる場所があると助かる」と話した。M精神保健福祉士は、Lさんの思いを受け止め、地域移行支援計画案を作成した。(問題50)
Lさんは、AさんやM精神保健福祉士の支援を受けて退院し、引き続き地域定着支援を受けながら一人暮らしを始めた。そして、地域活動支援センターのB精神保健福祉士の支援を受けながら、フリースペースの利用や毎日の夕食会に参加し始めた。さらに、居宅介護による掃除の支援や訪問看護を利用して生活に慣れていった。しかし、ほどなくしてフリースペースや夕食会に顔を見せなくなった。B精神保健福祉士は、M精神保健福祉士と訪問看護師にこのことを話し、訪問看護時に一緒にLさん宅を訪れた。Lさんは、「夕食会で話の合う人がいないので居づらく、行けなくなってしまった。そのことに悩んだり、夕食作りなど家事を頑張ったので疲れてしまった。今は寝てばかりいて、家にひきこもっている。このままだとまた入院になってしまうのでしょうか」と話した。そこでケア会議が開催された。(問題51)

問題49  次のうち、この時のLさんに対するAさんの役割を表すものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1  セカンドオピニオン
2  アドボケーター
3  メディエーター
4  エデュケーター
5  ロールモデル

選択肢5が正解です。

問題50  次の記述のうち、この計画案の内容として、適切なものを1つ選びなさい。
1  服薬の自己管理をするために、心理教育プログラムに参加する。
2  生活費を自己管理するために、生活困窮者家計改善支援事業を利用する。
3  料理や掃除、洗濯が一人でできるようになるために、退院まで1年かけて練習する。
4  心配を軽減するために、アサーション・トレーニングを行う。
5  一人暮らしをするために、Aさんにアパート探しを依頼する。

選択肢1が正解です。心理教育では、心理面への十分な配慮をしながら正しい知識や情報を伝え、病気や障害の結果生じる困りごとに対処する方法を修得し、知識や対処方法を使って本人が主体的な療養生活を送れるように支援します。

問題51  次の記述のうち、この時のケア会議の参加者がLさんに話したこととして、適切なものを2つ選びなさい。
1  訪問看護師:「生活リズムを立て直すために、入院を考えてみませんか」
2  B精神保健福祉士:「鉄道好きなメンバーがいるので、声を掛けてみましょうか」
3  M精神保健福祉士:「無理せず、ご実家で暮らすようにしますか」
4  ホームヘルパー:「家事ができるようになったので、もう少し頑張ると楽になりますよ」
5  Aさん:「一緒に夕食のお惣菜{そうざい}を買いに行きませんか」

選択肢2と5が正解です。

次の記事

次は、リカバリーについて。

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