心気症
心気症(心気障害)とは、医学的な診察や検査では明らかな器質的身体疾患がないにもかかわらず、ちょっとした身体的不調に対して自分が重篤な病気にかかるのではないかと恐れたり、既に重篤な病気にかかってしまっているという強い思い込みにとらわれる精神疾患の一つです。
症状
心気症は、「自分は重篤で進行性の病気にかかっているはずだ」という頑固なとらわれが主な症状です。
「病気ではない」と医師から言われても信じられなかったり、頭痛や腹痛などのささいな心身の不調からガンなどの重篤な病気ではないかと強い不安を感じてしまいます。
アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル「DSM-5」では、健康に対する高い不安を持ちながら身体症状のない心気症(心気障害)を「病気不安症」と位置づけています。
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心身症と心気症は違うよ。心身症はストレスの影響で機能的な障害を伴った疾患だったね。アレキシサイミアが特徴のやつ。
過去問
第21回 問題3
次のうち、重篤で進行性の身体疾患に罹患している可能性への頑固なとらわれが主な症状である疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1 心気障害
2 神経衰弱
3 身体化障害
4 離人・現実感喪失症候群
5 身体表現性自律神経機能不全
1 心気障害
これが正解です。
2 神経衰弱
違います。
3 身体化障害
間違いです。身体化障害は、病気でないにも関わらず多彩な身体症状を長期にわたり訴える疾患です。
4 離人・現実感喪失症候群
間違いです。離人・現実感喪失症候群は、自身の生活を外部から眺める傍観者であるような感覚や自分の周囲から遊離しているような感覚を伴う疾患です。
5 身体表現性自律神経機能不全
間違いです。身体表現性自律神経機能不全は、検査しても身体の異常がなかったり、ごく軽いにも関わらず身体の調子の悪さが持続するものです。
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次は、パーソナリティ障害について。
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