3段階の予防
カプランは予防精神医学を唱え、以下の3段階で予防を定義しています。
一次予防
一次予防は、精神障害の発生を予防することです。
一般的に予防といえば一次予防ですね。職場のストレスチェックやメンタルヘルス教育などが該当します。
二次予防
二次予防は、精神障害の早期発見・早期治療です。
健康診断などは二次予防です。
三次予防
三次予防は、精神障害者の社会復帰支援です。
治療過程における保健指導やリハビリテーションが三次予防です。
過去問
第23回 問題12
次のうち、予防精神医学の概念を提唱した人物として、適切なものを 1 つ選びなさい。
1 ソンダース(Saunders, C.)
2 カプラン(Caplan, G.)
3 呉秀三
4 ピアジェ(Piaget, J.)
5 フロイト(Freud, S.)
「予防精神医学」といえば、選択肢2のカプランです。
ソンダースは近代ホスピス運動の創始者です。緩和ケアの母と呼ばれています。
呉秀三といえば、精神病者慈善救治会を設立した人です。
ピアジェといえば、発達段階を4つに分けた人。
フロイトといえば、精神分析学の創始者です。
公認心理師 第2回 問131
二次予防の取組として、適切なものを2つ選べ。
① がん検診
② 健康教育
③ 作業療法
④ 予防接種
⑤ 人間ドック
① がん検診
正しいです。
② 健康教育
一次予防です。
③ 作業療法
三次予防です。
④ 予防接種
一次予防です。
⑤ 人間ドック
正しいです。
公認心理師 第5回 問20
職場におけるメンタルヘルス対策として、G.Caplanの予防モデルに基づく二次予防に該当するものを1つ選べ。
① 職場復帰支援プランの作成
② 高ストレス者への医師による面接指導
③ メンタルヘルスケアに関する研修の実施
④ 過重労働対策としての労働時間の上限設定
⑤ 疾病を抱える労働者への治療と仕事の両立支援
① 職場復帰支援プランの作成
これは三次予防です。
② 高ストレス者への医師による面接指導
これが正解、二次予防です。早期発見、早期治療です。
③ メンタルヘルスケアに関する研修の実施
これは一次予防です。
④ 過重労働対策としての労働時間の上限設定
これは一次予防です。
⑤ 疾病を抱える労働者への治療と仕事の両立支援
これは三次予防です。
次の記事
次は、精神保健福祉専門職について。
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