一般社団法人社会調査協会「倫理規定」
一般社団法人社会調査協会は、社会調査に関するさまざまな活動や情報発信、社会調査士という資格を認定しており、社会調査における倫理規定を定めています。
倫理規定は全10条から成り、特に第3条、第7条、第8条には以下のような規定があります。社会調査における倫理として参考になりますので見ておきましょう。
第3条
調査対象者の協力は、法令が定める場合を除き、自由意志によるものでなければならない。会員は、調査対象者に協力を求める際、この点について誤解を招くようなことがあってはならない。

調査協力はあくまでも自由意志ということ。国勢調査なんかは義務だけどね。
インフォームドコンセント
調査や研究を行うに当たって、調査対象者に事前に同意を得る必要があります。
これをインフォームドコンセントといい、同意・承諾することをオプトインといいます。
オプトアウト
調査対象者の個人情報を調査で利用することについて、本人に拒否の機会を保障することをオプトアウトといいます。
第7条
調査対象者が年少者である場合には、会員は特にその人権について配慮しなければならない。調査対象者が満15歳以下である場合には、まず保護者もしくは学校長などの責任ある成人の承諾を得なければならない。

つまり、小学生などの子どもが調査対象になる時は、保護者等の承諾を得なければならないということだね。
第8条
会員は、記録機材を用いる場合には、原則として調査対象者に調査の前または後に、調査の目的および記録機材を使用することを知らせなければならない。調査対象者から要請があった場合には、当該部分の記録を破棄または削除しなければならない。

あたりまえのことだけど、録音するときは相手に伝えなければならないね。
過去問
第25回 問題68
次の記述のうち、社会調査におけるオプトアウトの説明として、正しいものを 1つびなさい。
1 外部との経済的な利益関係等によって、研究が適正に行われないことを指す。
2 調査対象者に研究の目的やリスクなど十分に説明を行い、同意を得ることを指す。
3 調査対象者の既存の個人情報を調査で利用することについて、本人に拒否の機会を保障することを指す。
4 調査対象者の心的外傷に触れる質問をすることで、調査対象者の精神的負担が生じることを指す。
5 調査対象者の人格や尊厳を傷つけるような言動や行為になっていないか、常に意識することを指す。
選択肢3が正解です。
第27回 問題80
調査における倫理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 調査者と対象者との利害関係についての検討は不要である。
2 調査の目的や対象等に関する倫理審査は、調査終了後に行う必要がある。
3 対象者本人について調べる場合、対象者の認知機能を考慮することは不要である。
4 調査が対象者に及ぼす心理的な影響については、検討する必要がある。
5 想定していた結果と異なるデータは、 削除する必要がある。
選択肢4が正解です。易しすぎますね。
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次は、組織経営に関する分析について。
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