解離性障害
ICD-10における解離性(転換性)障害は、「過去の記憶、同一性と直接的感覚、および身体運動のコントロールの間の正常な統合が部分的、あるいは完全に失われていること」と規定されています。
心的外傷への自己防衛として、自己同一性を失う神経症の一種です。
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自分が誰か理解不能になったり、複数の自己を持ったり。
離性障害には、ある出来事の記憶が思い出せない解離性健忘、最も深刻な解離性同一性障害や解離性遁走などがあります。
解離性同一性障害
解離性同一性障害(解離性同一症)とは、強いストレスやトラウマなどから自分を守ろうとした結果、一人のなかに二つ以上の別人格(交代性人格)が入れ替わり現れるようになり、自己同一性が損なわれてしまう精神疾患です。
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昔は多重人格と呼ばれてたんだ。幽遊白書の仙水忍みたいな。
原因
解離性障害は、刺激(ストレス)が強すぎて処理しきれないときに、ストレスを遮断しようとして生じる防衛反応です。自分の限界を超えた重いストレスにさらされると、意識や思考、記憶などを切り離して苦痛から逃れようとします。例えば、大切な人が突然亡くなったときなど、ショックのあまり意識を失うことがありますが、これも解離の一種です。この状態が繰り返し長期間続くと解離現象(防衛反応)が習慣化してしまいます。
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性的虐待や身体的虐待などの不適切な養育を受けた子どもたちの多くに解離性障害が認められるんだ。
過去問
第22回 問題2
次のうち、ICD-10において、解離性(転換性)障害に含まれているものとして、正しいものを1つ選びなさい。1 トランスおよび憑依障害2 強迫性障害3 パニック障害4 身体化障害5 離人・現実感喪失症候群
選択肢1が正解です。
公認心理師 第2回 問92
解離性障害について、正しいものを1つ選べ。
① 自殺企図との関連は乏しい。
② 心的外傷との関連は乏しい。
③ 半数以上に交代性人格を伴う。
④ てんかんとの鑑別が必要である。
⑤ 治療の方針は失われた記憶を早期に回復させることである。
① 自殺企図との関連は乏しい。
誤りです。関連があります。
② 心的外傷との関連は乏しい。
誤りです。関連があります。
③ 半数以上に交代性人格を伴う。
誤りです。解離性障害のうち交代性人格を伴う「解離性同一性障害」は約30%と言われています。
④ てんかんとの鑑別が必要である。
正しいです。
⑤ 治療の方針は失われた記憶を早期に回復させることである。
誤りです。解離性障害の原因は心的外傷体験等であるので失われた記憶を回復させようとしてはいけません。
公認心理師 第1回 問35
ICD-10の解離性(転換性)障害について、誤っているものを1つ選べ。
①自殺の危険性がある。
②身体症状を伴う場合がある。
③幼少時の被虐待体験が関連している。
④自らの健忘には気づいていないことが多い。
⑤可能な限り早期に外傷的な記憶に踏み込んで治療すべきである。
選択肢⑤が正解です。
次の記事
次は、パニック障害について。
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