マクスウェル・ジョーンズ
ジョーンズのキーワードは「治療共同体」です。
「治療共同体」とは、個人の生活環境を変え、その環境の圧力と個人の欲求との相互関係を組織的・意図的に組み合わせることにより、その個人の行動そのものを変える組織のことです。
ジョーンズは精神科病院の全ての資源が治療共同体を作り上げるために、いかに組織されるかについて論じました。
クルト・レヴィン
レヴィンのキーワードは「グループ・ダイナミクス」です。
グループ・ダイナミックスとは集団力学のことで、集団において人の行動や思考は集団から影響を受け、集団に対しても影響を与えるというような集団特性のことです。
アレン・E・アイビイ
アイビイのキーワードは「マイクロカウンセリング」です。
マイクロカウンセリングは、ソーシャルワークの面接技法に着目し統合されたカウンセリングの基本モデル(メタモデル)です。
ソーシャルワークの面接技法といえば、開かれた質問や閉ざされた質問、言い換え、要約、感情の反映などの「基本的傾聴の連鎖」、その他、自己開示や助言などの積極技法がありますが、これらを階層化してまとめたものが、「マイクロ技法の階層表」と呼ばれるものです。
詳細は以下の記事で。
サルバドール・ミニューチン
ミニューチンのキーワードは「構造的家族療法(構造派家族療法)」です。
「構造的家族療法(構造派家族療法)」は、個人の問題は家族構造上の問題の反映であるとし、家族構造が変化するような介入を行い個人の症状の回復を図ろうとする療法です。
カール・ロジャース
ロジャースのキーワードは「来談者中心療法」です。
来談者中心療法(クライエント中心療法)では、クライエントをありのまま受容し、共感的理解を大事にします。
過去問
第23回 問題22
次の記述のうち、精神保健福祉の理論や実践に影響を与えた人物の説明として、適切なものを1つ選びなさい。
1 ジョーンズ(Jones, M.)は、病院の全環境を治療手段として用いる治療共同体の概念を提唱した。
2 ミニューチン(Minuchin, S.)は、集団や人間の相互依存性によるグループダイナミクスに着目した。
3 ロジャーズ(Rogers, C.)は、様々な心理療法やカウンセリング理論の基本となっている面接技法を統合したマイクロカウンセリングを開発した。
4 レヴィン(Lewin, K.)は、システム理論に基づいた構造的家族療法を展開し、家族成員間の境界に着目した。
5 アイビイ(Ivey, A.)は、非指示的アプローチである来談者中心療法(クライエント中心療法)を確立した。
1 ジョーンズ(Jones, M.)は、病院の全環境を治療手段として用いる治療共同体の概念を提唱した。
これが正解です。ジョーンズのキーワードは「治療共同体」です。
2 ミニューチン(Minuchin, S.)は、集団や人間の相互依存性によるグループダイナミクスに着目した。
間違いです。「グループダイナミクス」といえばレヴィンです。
3 ロジャーズ(Rogers, C.)は、様々な心理療法やカウンセリング理論の基本となっている面接技法を統合したマイクロカウンセリングを開発した。
間違いです。「マイクロカウンセリング」といえばアイビイです。
4 レヴィン(Lewin, K.)は、システム理論に基づいた構造的家族療法を展開し、家族成員間の境界に着目した。
間違いです。「構造的家族療法」といえばミニューチンです。
5 アイビイ(Ivey, A.)は、非指示的アプローチである来談者中心療法(クライエント中心療法)を確立した。
間違いです。「来談者中心療法」といえばロジャーズです。
次の記事
次は、諸外国の精神保健福祉を見ていきましょう。
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